馬淵澄夫議員は衆議院予算委員会において10日午前、福田首相をはじめ担当大臣に対して、(1)農業共済(農業災害補償制度)(2)福田首相の政治姿勢(3)福田首相の政治とカネにめぐる問題――等を中心に質した。
はじめに、遠藤前農林水産大臣が農業共済組合連合会会長を務めていた問題について、政治とカネの問題の象徴的な事例として紹介。本来、農家の安全安心を趣旨とする農業共済が、選挙時の集票マシーンになっている実態を明かした。そのうえで、補助金を出す立場である政権与党の議員が受給団体の会長を務めるという歪んだ構図により、不正が見逃されていると指摘。福田首相に対して、税金ムダつかい一掃に向け、制度、構図の欠陥を改めるよう求めたが、消極的な答弁に終始した。
次に、福田首相の父である福田赳夫元首相の「政治は最高の道徳である」の言葉を引用しながら、その継承者として初当選以来政治のモラル回復を旨としてきたとする首相の政治姿勢を質問。頻発する閣僚の政治とカネの問題について、首相は「説明責任を果たせない場合は閣外に去っていただく」との安倍前総理の方針を引き継ぎ、「信頼回復に向け自らを厳しく戒める」と明言した。
しかしながら、馬淵議員が首相自身の献金と選挙の関係について、政治団体の会計責任者がオーナーを務める会社から選挙前に献金を受け、さらにその会社が国の公共事業を受注していたことにも言及、公職選挙法に抵触する可能性も示唆すると、「自らを戒める」姿勢は一転。「そのような事実は知らなかった。不正するつもりはまったくない」として、故意でないことを必死に主張、説明責任は全く果たされなかった。
馬淵議員は、福田首相の豹変ぶりに「現内閣では『私は知らない』で全部逃れられるのか」と批判。「自粛自戒は空虚であり、砂上の楼閣である」と呆れ、最後に「国民を裏切ることのないように望む」と求めた。
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