新テロ対策特別措置法案の質疑が行われた衆議院テロ防止・イラク支援特別委員会で30日、田嶋要議員が質問に立ち、アフガニスタンの現状が6年前に比べて良くなったとする町村官房長官の答弁は、国民に誤解を与えるものだとして、改めて見解を求めた。官房長官は、「いろんな分野がある。自爆テロが減らないということはある。でも
良くなっている面もあるとの趣旨で述べた」と事実上、修正した。
また、田嶋議員は「テロとの戦いイコール武力の行使ではない。日本政府が行っている民生支援こそ本流」として、武力行使がアフガンにとっていい方向につながるのか質した。石破防衛大臣は、「どちらか一方でテロがなくなることはない」と答え、福田首相は、「評価は難しい」と逃げた。
続いて質問に立った古賀一成議員は、まず、守屋前防衛事務次官の問題を取り上げ、「行動が把握できていなくて何がシビリアンコントロールか」と詰問。首相が「本人のモラルの問題」と答えたため、「国土交通省では大雨の予想がでれば河川局長が待機となる。危機管理、安全保障の要の次官が、連絡もせずにゴルフ、旅行。納得できない」とさらに厳しく問い質した。石破防衛大臣は、監督責任は私にあるとして、「土曜日日曜日の行動も把握しなければならない」と答えた。
また、古賀議員は、アフガンの経済成長率が年10%となったのは、国民の生活が向上したのではなく、戦時経済、アングラマネーによるものだと指摘。そのうえで、アフガンの現状把握のための国会議員による視察の実施と、サトウキビ栽培推奨によるバイオエネルギー開発によってケシ栽培を止めるような、日本による民生支援のモデルの提案をしたらどうかと政府に示した。首相は「大変立派なご意見。ご説ごもっとも」と答えた。
三谷光男議員は、守屋前次官も証人喚問によって、政治への信頼は地に堕ちたと前置きし、次期防衛機のCXエンジンの調達をどのように結論を出すのかを質した。
防衛大臣は「大臣の天の声もおかしいことになる。安く性能がいいのがGE(ゼネラル・エレクトリック社)のエンジンだった」と答えた。三谷議員は、「役人に任せるのではなく道筋を大臣がつけるべき」だと指摘した。
次に、三谷議員は、山田洋行の水増し請求事案について、何故取引中止の処分がなされなかったのかを質した。江渡防衛副大臣は「何らかの齟齬があったのか調査中」と答えたたの対して三谷議員は、「調達改革は一つひとつの問題に答えを出し、取り組むべき」と訴え、質問を終えた。
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