30日午後の衆議院テロ防止・イラク支援特別委員会で、伴野豊、長島昭久両議員が質問に立ち、新テロ特措法案の文民統制上の問題点を挙げて、福田首相と関係閣僚の見解を質した。
伴野議員は、自衛隊の海外派遣においては特に文民統制が保たれねばならないとした上で、給油量隠ぺい、給油転用、航泊日誌破棄、前事務次官の接待といった問題によって規律や文民統制が揺らいでいる現状を問題視した。
これまでの審議で、海上自衛隊から給油を受けた米艦艇が、アフガニスタン本土攻撃に参加したケースが明らかになったことについて、国民から驚きの声が寄せられたと紹介。この6年間の自衛隊の活動を総括する必要があると強調した。
また、航泊日誌の破棄問題について再発防止を強く求めた。石破防衛大臣は「フェイルセーフの仕組みを確立しなければならない」として、文書管理の徹底を全部見直すと答弁した。
防衛省を取り巻く多くの問題について、伴野議員は「酷暑の中、防塵対策をして、現場で頑張っている自衛隊の方にこれほど申し訳ないことはない」と述べ、徹底的な調査の上で国際貢献のあり方を考えても遅くないと主張した。
続いて質問に立った長島議員は、冒頭、鳩山法務大臣の「友人の友人はアルカイダ」発言に言及。「官房長官からの厳重注意でとどまると思うか。きちんと調査するのか」と、対象者の出入国などについて事実確認を求め、首相の見解を質した。首相は「法務大臣の立場でもって十分注意、調査をすべき。進んでいなければ私からも促したい」などと答弁した。
新テロ特措法案については、現行法に比べて活動内容が限定されていることを指摘し、テロとの戦いに関する一般法を制定する議論を行う考えがあるか、関係大臣の見解を求めた。
また「日本の安全保障の法体系には、伝統として、きちんと国会のコントロールに服させるという原則がある。今回の法案はこれを踏みにじっている」と説明し、文民統制の要諦を壊す法案の問題点について、さらに議論を行う考えを示した。
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