民主党・新緑風会・日本は1日午後、「保険業法等の一部を改正する法律案」を参議院に提出。直嶋正行政策調査会長、福山哲郎政策調査会長代理、大久保勉『次の内閣』ネクスト金融担当副大臣、広田一参院議員が法案を手渡した。
2005年の第162国会で成立した改正保険業法は、2008年3月末までに保険会社の免許を取得するか、少額短期保険業者として登録するよう、無認可共済に求めている。
民主党の改正案は、金融庁に認定された保険金額1000万円以内・保険期間2年以内の小規模共済を規制の対象から除くことにより、参入要件を満たせず廃業する共済を救済する。経過措置の期限についても、現行法から1年延長し、2009年3月末までとするもの。
直嶋政調会長は、法案提出を記者団に報告。「PTAの仲間や山岳会で、遭難した場合の共済制度」を例に挙げて「こういった人道的な小規模共済が成り立たなくなる」と現行法の問題点を指摘し、民主党案は社会的にも大きい役割を果たすという見解を示した。
大久保議員は、悪質な共済を取り締まるためという現行法の規制の枠組みについて「必ずしも適切ではなかった」と認識を示し、自発的な相互扶助を基礎とした、営利を目的としない共済までが廃業に追い込まれる見通しだと紹介。2006年9月末で金融庁に届出を行っている389業者のうち、既に登録した少額短期保険業者は2社に過ぎず、4割以上は廃業予定と説明した。
6月5日の衆議院提出時の発議者となった馬淵澄夫衆院議員も記者会見に同席し、参議院への再提出に至った経過を説明した。また、届出された共済の保険金額や保険期間などについては、立法にあたり事実を把握する目的で金融庁に情報開示を求めてきたこと、個人情報保護の観点から開示を拒まれてきたことを表明。国会審議の場で救済範囲や事実の開示を求め、資する保険の存続へ向けた取り組みが行われることに期待すると語った。
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