小沢一郎代表は1日、栃木県宇都宮市を訪れ、地元農業者代表および医療関係者と懇談。窮状を切々と訴える現場の声に耳を傾け、参院選挙で掲げた「国民の生活が第一」の政策を実現していくことを力強く約束した。
最初に農業者宅を訪れ、集まった約50人に迎えられて挨拶。田んぼにりんご畑と自然に包まれた旧き良き農家の庭先に立ち、「自分の郷里に帰ってきたような気がする」と切り出した。自らもわずかながら米作りをしていることにも触れ、農家・農村・地域社会に言及。「日本の心のふるさとであると同時に食料生産、伝統文化を継承しているのが地域社会である。このままでは大都市との地域格差は広がるばかり。農村地域が疲弊してしまう」と危機感を示した。そのうえで、参院選挙でも3つの約束のひとつとして訴えてきた農業再生の実現に向け、日々取り組んでいることを報告。「参院選挙で皆さんからいただいた票と議席を有効に使って皆さんのためになるよう頑張っている」と述べた。
農業者の方々は、自民党の悪政による弊害を訴え、「民主党が政権をとって温かい血が日本の隅々まで流れるような農政をお願いしたい」「若者に魅力ある農政を」「日本の食料は農業が守っていることを忘れないで」などと、それぞれの思いを小沢代表に託した。また、農業者には会社員のように頼れる年金制度がないことも指摘、「安心して老後を迎えられように」と、改正を求めた。
最後に小沢代表は、「日本の農業は主要作物においては自給できると思う」との持論を語り、そのためにも「農家が安心して農業に従事できる環境をつくっていく」必要性を強調した。
小沢代表は次に栃木病院を訪れ、石原雅行脳神経外科医長、石森久嗣次期衆院選挙予定候補者の案内のもと視察。医療関係者からは「栃木県は脳卒中の死亡率が全国1位」であるなど、医師不足のもと満足な救急医療ができない現状が語られた。医師不足については、産婦人科、小児科に限らず、内科、外科と深刻な実態を報告。危険度の高い手術の結果、訴訟問題になる可能性もあり、大学病院などでも学生たちが、眼科、皮膚科、整形外科などリスクが少ない診療科に流れていること、さらに当直問題も加わり、医師の偏在を生んでいる現状を憂い、あわせて司法の問題も指摘した。
小沢代表は、現場の声を重く受け止め、地域格差、医療の格差是正に向けて全力を尽くす決意を表明した。
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