トップ > ニュース
ニュース
ニュース
1998/04/27
来賓祝辞
鷲尾悦也氏(連合会長)
記事を印刷する



民主党統一大会

来賓祝辞
鷲尾悦也氏(連合会長)

 新しい民主党結成のための統一大会のご開催、まことにおめでとうございます。心からお祝いを申し上げたいと思うわけであります。

 私も認識をしておりますが、ここに至るまでたくさんの困難を克服をされ、本日の新しい門出を迎えられたわけでありますから、これまでの努力に800万の勤労者を代表いたしまして心からお祝いを申し上げたいと思うわけであります。

 今日まで私たち連合は、自民党にかわって政権を担当し得る新たな政治勢力の結集というものを政治方針に掲げながら、その実現に心を砕いてまいりました。それはわが国の民主政治の健全な発展と勤労者の生活向上を実現するためには、どうしても効率、競争、市場経済の視点に重きを置く自民党に対峙し、公平・平等の理念を追求する政治勢力、私たちの立場で言いますと、6000万人に上る勤労者の要求をみずからのものと受けとめ得る政治勢力の存在がどうしても必要だと、このように考えたからであります。

 先ほど菅代表からブレア首相の話が出ました。私も先週の23日木曜日に、「レイバーサミット」というのがございまして、G8の各国の組合のトップリーダーと、今回のパーミンガムサミットの主催国でありますイギリスのブレア首相と懇談といいますか議論をしてまいりました。

 私も日本に来られたときにブレア首相ともお目にかかっておりますが、あらためて議論を戦わしてみますと、たいへんフレッシュな感覚の持ち主だという認識を持ちました。そして雇用教育大臣やその他のたくさんの閣僚の皆さんとも個別に懇談をさせてもらいました。ブレア首相が若い。それ以外の閣僚のなかにはベテラン、中堅の方々がたくさん配置をされておる。総力を結集して国民のため、消費者、生活者のための政策を実現するために努力されているという形が、私たち外国人にもよく見えたわけであります。

 その意味ではマスコミはいろいろなことを言いますけれども、本日、前に並んでおられますこの民主党の新体制は、まさしくフレッシュな菅代表を中心として、ベテラン、中堅の皆さん方が結集した体制がつくられたというふうに心強く思うところであります。(拍手)

 残念ながらこの数年間、わが国の政治におきましては、ただいま各政党の代表の方々がごあいさつで指摘をされておりましたように、非自民勢力の分立状態が続き、理念に基づく政策論争が行われないまま、国民の政治不信が募るばかりであります。受け皿がない。ご案内のようにEUの各国のなかではことしの秋の総選挙でドイツが社民党政権に交代するという可能性が出た、このように言われております。ご承知のとおり、そうなりますとEU15カ国のうち2カ国を除いた国々が社会民主主義・中道の連立単独政権である。時間は多少かかりましたけれども、受け皿がきっちりとあるから政権交代ができるということを私もつくづく感じたところでありますし、きょうお集まりの皆様方にもあらためてご認識をいただきたいと思うわけであります。

 やや皮肉っぽく申しますと、この数年間、私も連合の代表として、たくさんのと言ったら言い過ぎかもわかりませんけれども、幾つかの結成大会に何度もあいさつをさせられました。これが大きくなる政党の大会であれば望ましいんでありますけれども、もう小さくなった政党の結成大会にあいさつに行きたくありません。いままでのご来賓の政党の代表の方々も決してリップサービスではない、本心からそう思っておられるというふうに私は受けとめました。この民主党を中軸としてぜひ大同団結をされ、政権を奪回していただきたい。このように考えているところであります。(拍手)

 今日の自民党主導による政治が国民の不信を買っているということは私が申し述べるまでもありません。所得減税をはじめとする景気対策に対する後手後手の対応や、労働法制改悪の動きなどに見られるように、私たち勤労者のための政治にはほど遠いわけであります。

 またブレア首相の話になって恐縮でありますけれども、私はレイバーサミットでブレア首相に「私たちも一生懸命言っているので、ブレアさん、バーミンガムであなたからも橋本さんに景気対策をちゃんとやるように言え」と、こう言いました。そうしましたらブレアさん何と言ったと思います?「私も橋本首相に言うけれども、あんたたちも日本の野党にちゃんと言いなさい」と、こう言われました。

 ぜひとも皆さん方の力で今日の混迷する日本の状況を打開をしていただきたい。このように考えるわけでありまして、本日生活者、納税者、消費者の立場を代表することを高らかにうたい、透明・公平・公正なルールに基づく社会の実現を理念とする民主党が、4党の結集により発足いたしましたことは、私たちにとりましても積年にわたる悲願が達成されたものと言って過言ではないわけであります。まさにわが国の政治史に新しい大きな1ページを開くものとして心から歓迎し、来るべき参議院選挙においても全面的な支援をさせていただく所存を決意として申し上げます。(拍手)

 新たな民主党の結成を大きな脅威と見たのでしょう、自民党からは連合に対しましても、また私個人に対してもいわれなき誹謗中傷が寄せられております。私も頑張ります。(拍手)私どもはこのような政権政党からの不当な圧力に屈することなく、われわれの政治方針の貫徹、勤労者のための政権、政策、制度要求の実現に全力を尽くしてまいりたいと思います。皆さん、ともに手を携えて共通の目標に向かって邁進していこうではありませんか。(拍手)

 ごく近い将来に、自民党から政権を奪取され、民主党中軸の新たな政権を打ち立てられますことを心から祈念してやまないわけであります。私どもは、そのためのよきサポーターの役割を十分に果たすことをお約束し、連合を代表してのあいさつとさせていただきます。本日はおめでとうございました。(拍手)

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.