党の地方自治体議員フォーラムは、06年度の全国研修会を22日午後都内のホテルで開き、「政権取りへの足固め」(小沢一郎代表)を誓い合った。
研修会の冒頭の挨拶で、鳩山由紀夫幹事長は、千葉7区の補選に言及して「自民党との一騎打ちで勝利できた。党が一つにまとまり、大きな結果となった。そのことを感じとり、大きく育てていただきたい」などと述べた。
また、「小沢民主党によって、日本を地域主権の国に生まれ変わらせること。そのためにも、自民党との相乗り首長選は避けることを代表、代表代行と3人で本日、話し合った。各都道府県レベルでも自民党と違う面を出し、民主党の存在感を出していく。民主党という党名を名乗って活躍できる人を増やしていく」として、地方での党勢拡大に意欲を表明。この研修会を双方向のものにしていきたいと語った。
次に菅直人代表代行が、「これからの民主党」と題して講演した。菅代表代行はこの中で、自治体においても自民党との対立軸を明確にし、「積極的に自治体選を勝利し、参議院選、衆議院選とつなげていく。このための山場と統一自治体選を位置づける」と来年の自治体選挙の意義を強調。地方議員の奮起を促した。
小泉政権については、本物の意味での改革はなされずに終わったと評価し、民主党こそが本物の改革を成し遂げると指摘。その改革の大きな柱として、農業・林業再生による農村社会の再生を挙げ、「日本中が東京や大阪になってはいけない」と訴えた。
大都市対策としては、団塊世代の地域での活動支援などを通じて、社会に絆を取り戻すことに言及。法律制定と連動した形で、運動として展開していくことは、これからの党にとって大切であるとした。
菅代表代行は参加者に「自治体から日本の形を変えるという気概をもっていただきたい」と訴えて講演を終えた。
逢坂誠二地方自治体局長代理(前北海道ニセコ町長・衆議院議員)は「地方主権確立と国政のあり方」と題して自治の重要性を説いた。逢坂代理は「自治がしっかりしないとこの国は動かない」「自治こそがこの国家を支えている」などと、トクビルや石橋湛山を例に引いて訴えた。
党憲法調査会長の枝野幸男衆議院議員は、党の憲法提言について講演した。枝野会長は、提言が立憲主義、法治主義に基づくものであること、憲法はあくまで主権者たる国民が定めるものであり、権力を縛るものであると考慮したこと、国民との対話を通じて、改正すべき点・改正しなくてもいい点を見出すものであることなどを強調。その上で、安全保障、統治機構、人権などの項目について説明した。
次に、北海道大学公共政策大学院教授の山口二郎さんが「小泉改革の光と影」と題して講演した。山口教授はこの中で、小泉政権はリスクの個人化、小さな政府という誤った政策をとり、あたかもそれが改革であるかの様に演出し、昨年の総選挙で大勝したが、国民は小さな政府を望んでいないことを明らかにした。
世論調査の結果を紹介し、日本人は平等感、正義感を失っておらず、機会の平等を掲げること、福祉国家の設計図を示すこと、その設計図のために真面目に議論している姿を国民に示すことが民主党にとって必要であると訴えた。
また「小沢さんが言うように地域を歩いて皆の声を拾うこと。公正な国をつくること」も必要と指摘した。特に、小沢代表の「日本改造計画」の中の、グランドキャニオンには柵はないとの記述に触れ、「これは自由主義ではなく、囲い込みに対する自立、危険かどうかも自分で判断することを述べたものだ」と解説した。
懇親会では小沢代表が、「政権を目指して頑張りたいと思う。参議院選の前に統一地方選がある。それぞれの地域の中で大きな役割を果たしていただく。自分の議席を守るとともに、多くの仲間の議席を得ることが政権につながるので、より一層ご精進をお願いする。次の参議院選挙は政権取りの事実上のスタートとなる。皆さんの足元を固め、参議院選挙へのお力を心からお願いする」として、「政権を目指して杯を上げたい」と乾杯の音頭を取った。
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