労働者の最低賃金を保障する最低賃金法改正案と、雇用のルールを定めた労働契約法案をめぐって民主党と与党の修正協議が合意に達し、8日の衆議院本会議で賛成多数で可決、参議院に送付された。この国会で成立する見込み。
最賃法改正の修正合意では、「健康で文化的な最低限度の生活」の文言が入れられ、労働契約法案では、「就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ」との文言が入れられた。最賃法改正案では(1)地域別最低賃金の設定を義務化する(2)額は生活保護との整合性に配慮する(3)違反者の罰金を「2万円以下」から「50万円以下」にする――などの内容が盛り込まれた。労働契約法案には、労働契約について「就業実態に応じて均衡を考慮する」と明記された。
これに先立ち、衆議院の厚生労働委員会で、2日審議が行われ、細川律夫議員が質問に立ち、民主党案では、最低賃金決定の基準を「労働者及びその家族の生計費」としたことを明示。単に労働者だけでなく、一人の子の扶養を前提とし、その理由を「最低賃金を独身者の生計費とすれば、結婚し、子を産み、育てる余裕がなくなる」とした。
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