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2007/11/13
新テロ特措法案の衆議院通過を受けて(談話)
民主党政策調査会長
直嶋 正行

 本日、新テロ特措法案が、民主党の指摘した数々の問題点を残したまま、衆議院を通過した。
 
 民主党はまず、テロ特措法に基づいて、自衛隊が行ってきた6年間の活動の総括が不可欠であると考え、国政調査権の提案も含め、政府に対し情報公開を求めてきた。しかし、政府の資料開示は甚だ不十分であり、活動実態をごまかし、真実を隠蔽している疑惑は払拭できず、説明責任は全く果たされていない。
 
 イラク作戦への転用問題について、政府は、自衛艦が給油した米艦船がイラク作戦に参加することはないと説明していたが、「不朽の自由作戦(OEF)」に従事していれば、他の任務を行っていても問題はないと答弁を変更し、テロ特措法違反が行われていた疑惑を一層深めた。また、本法案では、補給先を海上阻止活動に限定するため、転用は生じないとしているが、米国防総省が説明したように米艦船が複数任務に就くこともある以上、活動の限定は不可能であり、今後も転用が続くとの懸念が残ったままである。

 給油量取り違え問題や航泊日誌の誤破棄問題など、シビリアン・コントロールの根幹を揺るがす問題が噴出しているにもかかわらず、本法案に国会承認規定が置かれなかったことは、極めて大きな問題である。実力部隊を海外に派遣する際に、国民の意思を十分に反映したチェックの仕組みをはずすことは、断じて容認できない。

 米軍等によるアフガニスタン作戦や海上阻止活動がいつまで続くかわからず、補給活動に出口がないことも問題である。民主党は、アフガニスタン情勢がより悪化している事態に鑑み、ただ漫然と給油活動を継続するのではなく、真の和平実現のために外交努力を払い、アフガニスタンの安定・復興に向けた民生・人道支援を行うことが日本の役割だと考える。

 問題点は山積したままであるにもかかわらず、強行に採決日程を決めた政府・与党の横暴に強く抗議する。今後、国会審議は舞台を参議院に移す。より一層の情報開示を求め、法案の内容と活動実態について徹底審議を行うとともに、守屋問題を含めた防衛省の体質もさらに追及していく。

以 上
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