参議院本会議で14日午前、政府が今国会に提案した14機関28人の国会同意人事に関して採決が行われ、民主党はじめ野党が、運輸審議会、公害健康被害補償不服審査会、労働保険審査会などの3機関3委員の再任人事に同意せず、反対多数で不同意になった。
政府提案の人事案件の不同意は1951年以来56年ぶり。参院選での民主党勝利の結果、野党が過半数を占めた参議院で政府提案が否決された最初のケースとなった。
民主党は、同意人事への対応を協議するため、党内に「同意人事検討小委員会」を設置。担当ネクスト大臣や部門会議の参考意見を聴取した上で、役員会への報告・承認を経て、最終的な態度を決定した。
民主党における「同意人事についての意見」は以下のとおり。
同日行われた『次の内閣』閣議で、同意人事への対応に関して報告に立った政策調査会長代理の福山哲郎参議院議員は、天下りにつながる人事を不同意としたことを明らかにするとともに、「被害や労働災害補償等について当該省庁のOBが、本当に患者や被害者の立場に立てるかとの観点から決めた」と報告した。
福山議員はまた、同意人事に関する審査基準について、政調役員会でさらに議論を重ねる意向を明らかにした。
菅直人代表代行は、「非常に大きなできごとだと思っている」との自らの認識を表明。「官僚主権だった」日本の制度、内閣を本来の「国民主権」に戻した画期的なできごとだとの見方を示すとともに、「56年間もの間、何百、何千という人間を、一人として否決していないことにこれまでの内閣の本質がある」と述べ、そのことを変えられたのは参議院での与野党逆転があったからだと強調。民意が国会同意人事にも反映した結果であるとした。
|