民主党幹事長
鳩山 由紀夫
本日(日本時間17日)未明、日米首脳会談がホワイトハウスで開催された。
民主党は、日本外交の基盤として、相互信頼に基づいた、強固で対等な日米関係の構築をめざしている。その観点からすると、福田総理の就任後初の外国訪問となった今回の首脳会談が、全体として総花的に日米間の協力関係を再確認するにとどまり、直面する様々な外交課題への具体的行動につながるような実質的な内容に乏しい表面的、儀礼的な会談であったとの印象は免れない。
イラク作戦への転用疑惑問題や防衛省の問題に蓋をしたまま、新テロ特措法案を衆議院で通過させ、これを持って訪米した総理は、法案の早期成立と給油活動の早期再開に向けた決意を表明した。しかし、給油継続の可否は自衛隊海外派遣の原則に関する問題で国会で決められることであり、総理の対外約束によって左右されるべき事柄ではない。民主党としては、マグナカルタに示された原則に従いながら、厳しい態度で参議院における国会審議に臨んでいく。
両首脳が北朝鮮問題で緊密に連携していくことは確認されたが、具体的な展望は示されていない。我が国にとって拉致問題の解決は不可欠であり、その解決なくして米国は北朝鮮をテロ支援国家から指定解除すべきではない。ブッシュ大統領から日本への支持表明はあったものの、拉致問題解決への展望が開けたわけではなく、総理は米国政府に対して解除見送りを強く求め続けると同時に、解決への具体的な方策を踏み込んですり合わせるべきである。
米国産牛肉の輸入問題について、大統領が日本市場の開放を強く求めたことに対して、総理は食の安全と科学的知見によるとの従来の主張を繰り返したとのことであるが、民主党は食の安全・安心を守るために輸入条件の撤廃には反対である。
民主党は、アジア外交を柱のひとつとしている。総理も今回、「日米同盟とアジア外交との共鳴(シナジー)」という外交路線を示したときくが、大統領に説明するまえに国民の理解と支持をえることこそが重要ではないか。今回の首脳会談が、従来の米国追従路線の域を出なかったことは残念である。
以上
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