直嶋正行政策調査会長は26日午後、参議院本会議で民主党・新緑風会・日本を代表して質問に立ち、平成18年度決算概要報告に対して防衛省と防衛関連企業との疑惑を中心に、福田首相をはじめとする関係大臣に見解を質した。
直嶋政調会長ははじめに、福田首相の外交姿勢について質問。「日米同盟の強化と積極的アジア外交の推進」を強調した所信表明演説の説明を求めた。福田首相は「アジアの平和と繁栄は国際社会にとって有意義なこと」と述べるにとどまり、明確な指針は示されなかった。北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除については、「拉致問題の解決なしに指定解除は認められない」とする日本側の主張が、米国側の理解を得ていると主張。拉致問題解決に向け、「緊密に連携していくことで一致した」と強調した。日朝関係の打開についても、具体的な方策は示されず、抽象的な文言の繰り返しとなった。
次に、防衛省と防衛関連企業との疑惑について、守屋前防衛次官の証言で名前の挙がった額賀財務相、久間元防衛相の説明責任不足を指摘。あわせて、2002年から2006年までに年4回、計20回開催された額賀財務相のパーティーに言及。総額2億7千万円、1回あたり平均で1千3百万円もの収入が計上、防衛庁長官時代も含まれていることなど、「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模な開催者自粛する」と定められた「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」に反しているのではないかと、総理の見解を質した。福田首相は、「国民の疑惑を招かないよう各大臣が規範を徹底するよう努める」と述べたものの、額賀財務相については規範に違反しないと判断。国民感覚との乖離が浮き彫りになるかたちとなった。また、防衛装備品調達にめぐる疑惑が絶えない防衛省の構造的問題を指摘。売り手の言い値で常に新しい装備を求める自衛隊のあり方や不祥事が相次ぐ防衛省の組織欠陥を正すべく改革の必要性を求めた。福田首相は、「憂慮すべき問題」との認識を示し、応募要件の見直し等、ムダを排除する観点からも随意契約の適正化、透明化に努めていく方針を明らかにした。
額賀財務相に対しては、第9回日米安全保障戦略会議への出席と内容、費用負担について追及したが、会議の正当性を主張。大手防衛産業への「便宜供与は一切ない」と強弁した。
続いて、山田洋行の水増し請求及び水増し請求に関わった防衛省職員の刑事告訴について見解を求められた石破防衛相は、「徹底的に調査中」と答弁。事実関係を調査し、刑事告発を含めて厳正に対応していく方針を述べた。
最後に直嶋政調会長は、第一党となった参議院において「民意に従い、正々堂々と次の総選挙での政権交代の実現に向けて日々研鑽に努めている」と表明。総選挙での勝利に向けての決意を述べ、締めくくった。
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