民主党は5日、従来通りの児童扶養手当の支給継続を可能とするため、平成20年4月1日より実施されることとなっている児童扶養手当の減額措置に係わる規定を削除する、「児童扶養手当法の一部を改正する法律案」を衆議院に提出した。法案提出は『次の内閣』ネクスト子ども・男女共同参画担当副大臣の西村智奈美衆議院議員、川内博史国会対策筆頭副委員長、郡和子衆議院議員が行った。
会見の席で西村議員は、児童扶養手当法は5年前の改正をもとに、今年度いっぱいで最大2分の1まで削減される規定となっている点を明らかにするとともに、改正時の付帯決議では「就労支援をきちんと行うこと」「政令の制定に当たっては母子家庭など関係団体の意見をよくきくこと」が定められていたと推移を説明。
そのうえで西村議員は、高い就労率を維持する母子家庭であっても就労収入は依然として低いと指摘し、「母子家庭に対する児童扶養手当をこの時点で削減することは命綱を絶つに等しいということで、民主党から議員立法で提出した」と表明した。
また、「児童扶養手当の減額措置に係わる規定を削除する」としている民主党案に対し、与党側は「凍結」としている点について、川内議員は「凍結するという言葉は、一時的な案であることは明白。行政の恣意的な運用を助長しかねない」と指摘。「母子家庭を取り巻く現状をご理解いただければ、(与党も)諸手をあげて民主党案へ賛同するものと思う」と語った。
郡議員はDV被害にあった女性たちの場合など、一見すれば若くて健康であるように思えるが実態は精神的にも肉体的にもすぐ働くのは難しい状況にあるとの見方を示すとともに、実態にそれを乗り越えて就職活動を行った場合も、「子どもがいるなら雇えない」といった壁にぶつかることは多々あると指摘。児童扶養手当の重要性を強調した。
さらに、会見に同席したNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石理事やDV被害にあった女性を支援するエープラスの吉祥代表はそれぞれ、法案提出に至った民主党に謝意を示すとともに、「凍結でなく、全部廃止が私たちにとっては望ましい政策だと思っている」とした。
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