21日、衆議院予算委員会で質問に立った民主党の上田清司議員は、鈴木議員の外務省への関与疑惑、大和都市管財問題、朝銀問題などを質問した。
上田議員は冒頭、2000年に起きた駐日コンゴ民主共和国(旧ザイール)大使の登録手続きの遅れをめぐって、鈴木議員が外務省に圧力をかけた疑惑を取り上げた。上田議員はコンゴ大使が河野洋平外相(当時)にあてた内容証明郵便を提示。この文書でコンゴ側が「上の指示で公布できないと伺っている」と記している点を示し、上田議員はこの「上」は大臣か政治家かは不明だとした。
加えて上田議員は「コンゴと縁が深い、鈴木宗男氏の私設秘書を名乗るジョン・ムウェテ・ムルアカ氏によって、大使館の利用が妨害されたにとどまらず、コンゴ大使の生命の安全は保証しないと殺害の予告まで流布されている」とする内容証明書および日本在住のコンゴ人の見方を示し、「旧政権との関わりをもってきた政治家による妨害だとすれば、外交上の汚点ではすまされない」ときびしく批判した。
また、上田議員はムルアカ氏がコンゴ政府の正式な外交官ではないことを川口外相に確認した上で、にもかかわらず同氏が「駐日コンゴ民主共和国大使館 通商代表機関代表」との肩書きとコンゴ政府の紋章の入った名刺を所持している事実も明らかにした。
外務省の重家中東アフリカ局長は「コンゴ政府から新大使任命の通知があったが、前任大使が大使館に物理的に居座る異常な事態が生じたため遅れた」などと説明。川口外相も「革命で政権が変わったことが背景と推測される」と述べるにとどまった。
上田議員は「いみじくも居座るという言葉を重家局長が使った」としてその矛盾を突き、「日本はすでに新政権を承認していたのに、新大使の登録をせず、不法占拠している前任者に味方したのはなぜか」と納得せず、経緯の調査を要求。川口外相も調査を約束した。
続いて上田議員は「豊田商事事件に次ぐ詐欺疑惑だ」として大和都市管財の問題を取り上げ、債務超過が認められた段階で、業務改善命令を出さなかった政府の責任を追及した。
さらに、朝銀問題をめぐっては、受皿信用組合への資金贈与計画、架空名義預金や借名預金の実情などについて、村田内閣府副大臣、柳沢金融担当相、塩川財務相らに質した。
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