民主党BSE問題対策本部、農林水産部門は19日、国会内で合同会議を開き、米国産牛肉の輸入問題に関連し、米農務省のキーナム農務次官が7日、日米次官級経済対話で、米国からの牛肉輸入について月齢30カ月未満でどうかとの打診が日本側からあったとコメントした問題について議論。この問題をめぐり、外務省、厚生労働省、農林水産省、食品安全委員会からヒアリングを行った。
キーナム農務次官は米国大使館で行われた記者会見で、「(日本は)食品安全委員会で、月齢30カ月未満の米国産牛肉の輸入について諮る。米国としては月齢制限の全面撤廃を求めているので遺憾だ」と話したとの報道がある。
この問題について、民主党は「30カ月齢未満への見直しを食品安全委員会に諮問する」との言及が日本側から本当にあったかどうか、衆参の委員会で何度も追及。しかし、政府側からは「非公式に行われた協議である」との理由から議論の内容に関する明示はなく、度重なる質問にも明確な回答を避けてきた。
同日のヒアリングにおいても、外務省から「キーナム農務次官の発言記録の提供を米側に照会中」「なぜコメントしたのか報告するよう求めている」などとするだけで、日本側としては「科学的知見に基づいて対応することが重要との考えの下に、政府一体となって対応する」と繰り返すだけだった。
これに対して会議に出席していた議員からは、「外務省に対して非公式であり、内容を公開しないのが前提であるにも関わらず、協議内容を公開した米側に抗議したのか」、日米首脳会談では「月齢見直しは行わない」との姿勢を堅持したとしておきながら相反する内容が話し合われているのではないか、と、政府の問題ある行動を指摘。
ヒアリングでの度重なる質問にも実態を明らかにしない外務省、厚生労働省、農林水産省に対し、平野達男議員から(1)協議内容を明らかにできないのはなぜか、(2)諮問したいという発言があっかどうかの事実を明らかにする。明らかにできない場合はその理由、(3)キーナム発言に対して日本政府として抗議する予定はあるか――について、3省で統一見解を示すよう要請した。
|