私は地方行政警察常任委員会委員長の和田洋子です。
私は委員長として、委員長は中立公平な立場でその重責を担っていることをまず、冒頭申し上げたいと思います。
その上で、今回の衆議院議員定数削減法案が、先週1月28日の金曜日に参議院議院運営委員会で野党が出席出来ない状況下において、地方行政警察常任委員会への付託を採決によって決定したことは誠に残念におもっております。
国会議員の議員定数を変更するほどの、重要な議題を不正常な中で、与党だけの出席の下で強引に、委員会への付託を決定することは残念で仕方がありません。
国会議員の議員定数を減ずるという、重要な内容を有している法案でもあり、本会議において趣旨説明質疑を行うべく、本会議での趣旨説明を要求していたものであります。
本会議での審議を妨害したことは連立与党による言語道断の暴挙であります。
しかしながら、付託された以上は、委員長として委員会を開会して審議することは当然のことでありますし、私は委員会開会に向けて、以下申し上げる経過で、与野党間での調整を行うなど、努力を積み重ねて参りました。
与党より1月28日の金曜日17時頃に私の議員会館事務所に、委員会を31日の10時に開会するようにとの要請書が届けられましたが、私は地元に帰郷中でしたので、秘書が要請書を受け取りました。
私は、委員部に対して31日の月曜日は定例日外であり、委員会開会には応じられないと与党側に連絡するよう命じました。
与党は31日の月曜日11時37分頃に再度私の議員会館事務所を訪れ、委員会開会要求書を提出してきました。内容は2月1日の13時に委員会を開会してほしいとの申し入れでした。再度の要求でもあり15時10分に自民党岡理事に電話にて連絡し、理事懇談会の開催を呼びかけましたが、岡理事より理事懇談会には応じられないと述べられました。
委員会を開会を開会するもしないも、まず理事及びオブザーバーが集まり、話し合いを持ち、その結果意見が一致すれば委員会を開会するのは良き慣例として、行われて来ました。
2月1日になり10時30分に岡、松村両理事に委員長室に来て頂き、再度理事懇談会への出席をよびかけましたが、両理事からの回答は明日2日本会議採決のため本日の理事懇談会は無意味であり応じられない、理事懇談会を開いていては明日の採決が出来なくなると回答してきました。
14時頃より岡、松村両理事に正常化への働きかけと、理事懇談会への再三にわたる出席の呼びかけましたが、所在不明で一切の連絡が現在も付かない状況が続いています。尚、委員部を通じても呼びかけを行いました。
15時10分には野党の理事に委員長室にお越し頂き、与党側との協議経過対応を説明し、経過報告を行いました。
与党側が委員会開会の要求を行っているにも関わらず、委員会の理事懇談会への出席さえも無視しつづける状況であり、議長への報告を前提にして、本会議を設定する議運委員長に対して、同委員会での経過報告を行うため17時30分に申し入れを行いましたが、議運委員長は報告を受けることさえも拒否されました。
本日になっても、与党理事とは連絡のつかない状況が続いています。
このように、委員長として最大限の委員会開会に向けての努力を行っているにもかかわらず、「私が行方不明で連絡がつかない」「委員長は委員会開会の意思がない」などと報道された事を考えると、私の委員長としての中立公平な努力を無視するばかりか、国会で最も重要な委員会審議を軽んじるものであり、とても認めるわけにはいきません。
確かに、中間報告による審議打ち切りによって、法案を成立させる方法はあるかもしれませんが、この方法は異例なことであり、充分に国会会期のある現状において、行うべき事ではありません。
ましてや、委員会審議を行おうと委員長として努力を続けている中、委員会審議を一度も行えない状況下で法案を強引に成立させようとする姿勢は許されるべきものではなく、委員長として各党委員に充分な審議の場を与えることが出来ないままに、本会議場で中間報告という名のもとに、経過を報告し委員会審議を空洞化させることに深い悲しみを覚えるものであります。この様な行為は憲政史上かつてない、参議院にとって大きな悪例として、汚点を残す以外のなにものでもなく、深く懸念するものであります。
このことは、法案だけの問題でなく、議会制民主主義の死滅につながるものであり、大きな危険性を強く感ずるものであります。
以上、委員長としてやむにやまれぬ思いを述べさせていただきました。参議院の独自性を重視なさっている齋藤議長と、そして見識ある参議院議員の皆様に、再び委員会審議が行われるような御決議を強く要請して、私の中間報告と致します。
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