25日、衆議院予算委員会で質問に立った民主党の松本剛明議員は、医療制度改革をめぐる政府の方針を「国民負担先行だ」と批判し、抜本改革実現への保証を強く求めた。
松本議員はまず、政府の医療制度改革方針では、サラリーマン患者への負担増(2割→3割)を2003年4月1日から実施することだけが具体的に掲げられており、「三方一両損」などではなく国民負担先行ではないか、と質した。坂口厚生労働相は、それまでに抜本改革の基本方向を打ち出すという期限を示したものでもあるとしたが、逆に“抜本改革先行論者”としての本音が透けて見える答弁となった。
小泉首相は、「患者の負担も、保険料も、税金でまかなうのも、結局どれも国民負担だ」などと乱暴な論理で反論したが、松本議員は「国民、医療機関、国の3者で国民の負担だけが増大する形になっているではないか。国民負担と抜本改革がセットだというなら、抜本改革の具体的方針を同時に示すべきだ」と指摘した。
さらに松本議員は、現在の状況が、小泉厚相の下で患者負担を1割から2割に拡大しただけで抜本改革では挫折した1997年の状況とどこが違うのか、と質問。首相は、「当時は政治的意志が足りなかった」「後戻りができなくなった」などと抽象的な答弁で逃げ、坂口厚労相は「だから今回は方向性を打ち出す期限を決めようということ」と対置した。
松本議員は、「当時も方針はあった。それを実現できなかったという問題だ」として、小泉内閣が当時と同じ轍を踏もうとしていることを厳しく指摘。具体的に、政管健保の民営化や医療費の総額抑制などについて何も具体的な内容が決められずにいることを挙げ、「こういう状況で患者の3割負担だけを先行して行うことには賛成できない」と批判した。
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