26日の衆議院予算委員会で質問に立った民主党の五十嵐文彦議員は、政府の金融失政および迷走するデフレ対策について質問した。
冒頭、五十嵐議員は金融庁の石川銀行への対応について、一昨年の検査で自己資本比率がマイナス8.67%と判明していたにもかかわらず、同行の詐欺まがいの増資を認め、その後8カ月で破綻させたと指摘。「これほどひどい銀行に対し、なぜ法的処理や厳しい改善命令等を実施しなかったのか」と柳沢金融担当相に無作為の責任を質した。
さらに、石川銀行にまつわる数々の不正融資疑惑や森前首相との深い関係を取り上げ、「同行への対応は森氏に配慮したものではないのか」と質した。金融担当相は、無作為責任についての言及は避け、「検査を実施し、その結果に基づき行政処分をした」と答弁するにとどまった。
また五十嵐議員は、朝日生命と東京海上との統合問題で、金融庁が脅迫まがいの圧力をかけたことを指摘し、「金融庁が金融業界全体を支配しようという裁量行政が復活している」とその行政運営を強く批判した。
続いて、デフレ対策に関して、政府与党から物価さえ上げれば良いとの声があることについて、「国民の賃金が上昇しない中で、物価を上げれば消費の抑制につながり、デフレ効果を持つ」と政府の対策の問題点を喝破。
五十嵐議員は、「経済活動が活発になり、賃金が上昇し、貨幣流動率が高まる中での多少のインフレは容認できる」との考えを示した上で、塩川財務相にどのような考え方に基づき、デフレ対策を講じようとしているのかを質した。財務相は、経済活性化への方策を全く示すことなく、「1997年の物価を望ましい数値と考え、それを目標に努力している」と答弁するにとどまった。
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