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2008/01/22
【参院本会議】福田首相の政治姿勢を問う 輿石会長が代表質問で
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 輿石東参議院議員会長は、22日参議院本会議で、施政方針に対して、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して質問に立ち、福田首相の政治姿勢を厳しく問い質した。

 冒頭、輿石会長は、子年の72年前に2.26事件が起きたと指摘し、「年金制度の将来設計は見えず、借金漬けの財政にも、進む少子高齢化にもこれといった対策を打ち出せず、経済の陰りは隠せず、生活苦のワーキングプアは増えるばかり、日本はいよいよ沈みつつある船になっていると全国民は不安に思っている」と現状を分析、2.26事件当時と似ているとした。

 その上で、政治姿勢について、特に3分の2の多数による再可決について、「前国会の会期を2度も延長し、異常な越年国会にしたあげく、参議院が給油新法案を否決した際には、両院協議会の開催も求めずに直ちに、57年ぶり衆議院で再可決した」と批判した。また、「国会とは議論の場。意見の対立をすりあわせて、よい結論にもっていくのが議会制民主主義」であると指摘し、本来の国会のあるべき姿を示した。同時に「自民党の中に、予算関連法案を再びこの方法を使って可決成立させるべきとの意見もある」と述べ、またしても繰り返されるやもしれない3分の2の多数による再議決を、問題視した。

 輿石会長はそうした状況を受けて、「最初からそのような態度なら参議院は不要となる」として、再議決を再び使うなら「総理への問責決議案の提出も辞さない覚悟である」と明言した。首相は再議決について、「再議決、先にありきではなく、国民にとって最善の結論を得るよう、政府案を無理に押し通すことはしない。皆さんの意見を取り入れる」と低姿勢に答えた。

 また、輿石会長は、「あなたの目指すべき社会とは何か」明らかにするよう求めたが、首相は安心できる社会、夢を抱ける社会、平和国家日本などと羅列するに留まった。

 さらに、政治とカネ、年金記録問題、肝炎患者救済に関して、それぞれ見解を質した。政治とカネの問題では、防衛省汚職事件について解明するよう求めたが、首相は「防衛省改革会議での結論を踏まえ、施策を講ずる」と抽象的に答えた。

 年金記録では、職務怠慢と責任回避の結果が今日の事態を招いたとしたうえで、「名寄せ期限の今年3月を国民は注目している。国民が納得できる結果が出せるかどうかに政権の命運がかかっている」として見解を求めた。首相は、「4月以降も統合作業を進める」として、事実上、公約が達成できないことを認めた。

 肝炎患者救済では患者の医療負担を軽減し、肝炎、肝硬変への進行をとめることが緊急の課題だとして、救済の法案を成立させるべきと見解を求めた。首相は、予算措置をしたとして、民主党の法案については触れなかった。

 さらに、輿石会長は、年金制度、子育て、農業、教育、地方分権、一括交付金、医師不足対策などの民主党案への見解を質したが、首相は、いずれも財源不明を理由として、拒否、現状維持する考えに終始した。特に道路特定財源については、暫定税率を維持することを明言した。

 輿石会長は、「日本だけが旧態依然たる政治や外交に埋没していることは許されない。私たちは『今こそ、政権交代、国民の生活が第一』を合言葉に、他の野党の皆さんと手を結び、21世紀に生きる子どもたち夢を『夢ある日本』を取り戻すために全力を尽くす」と結んだ。

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