衆議院予算委員会で28日、松本剛明議員が質問に立ち、(1)年金記録問題、(2)地方交付税法等改正案、(3)道路特定財源問題――について、福田首相をはじめ関係閣僚に見解を質した。
松本議員はまず、年金問題について取り上げ、「ねんきん特別便」の回答状況の認識について質問。国の管理責任であり、国民側には瑕疵がないことを福田首相に確認したうえで、再送にかかる1億円以上の保険料と税金と時間のムダ使いがあると指摘し、政府の取り組みの抜本的な見直しを求めた。また、失われた5000万件の記録を回復するための作業であるにも係らず、わかりにくい方法で行われていることについて質したが、舛添厚労相は「ねんきん特別便」の不備は認めたものの、外部スタッフによる直属の委員会を発足させ、再送を始めたこと、窓口対応を強化させたことなどを挙げ、「相当な対策ができている」と強弁、体制を改める必要はなしとの態度を貫いた。
松本議員はまた、「ねんきん特別便」で指摘されている、いわゆる「裏マニュアル」にある「Q&A」素案の決定経緯について、企画課長が決裁していたことを問題視。大臣による決裁及び、「本気でもう一度精査する決意を」と要請し、「もうこれ以上虚しい思いをさせないでほしい」と、政府の誠意ある取り組みを求めた。
次に、地方交付税法等改正案について言及。政府による大幅な税収見積もり違いを指摘したうえで、地方交付税の総額の確保、交付税等の特別会計の計画的な償還繰り延べ、減収補填債発行対象事業の拡充等の論点を確認した。松本議員は、「見積もりを誤った責任を認めたうえで対策の議論を」と求めたが、政府閣僚はことごとく見積もりを正当化。「誰も責任を問わないのなら議会のチェック機能は果たせない」と追及したが、閣僚からは「経済は生き物であり、世界経済の変化、経済運営の中で税収も変化する」と他人事のような答弁が飛び出すなど、政府の責任をめぐって押し問答が続いた。最後は福田首相が、「見通しはあくまでも見通しであり実績とは違いドンピシャとはいかない」と発言。これには松本議員も「まるで宝くじのようだ」と呆れ果て、「責任を認めたうえで前向きに考えないと経済運営はできない」と釘を刺した。
道路特定財源問題については、道路の中期計画の事業量59兆円の試算の根拠について質問。冬柴国土交通相は、救急病院7兆円をはじめ、通学路2兆8千万円、開かずの踏切4兆1千万円、渋滞対策2兆6千万円などの内訳を示した。これに対して松本議員は、「道路を造るなと言っているのではなく、限られた財源の中で何を優先させるか」との問題認識を述べた。そのうえで、実際には高速道路が3〜4割を占めているにも係らず、割合は小さいが国民の同意を得やすい通学路や開かずの踏切を全面に取り上げ、主張している政府の姿勢を非難。今後の課題として、中身を精査する必要性を述べた。
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