民主党は29日夕、国会内で代議士会を開いた。一度休憩し、本会議を前に再開された代議士会で、山岡賢次国会対策委員長がつなぎ法案をめぐる与野党間の攻防について、「与党からの提案に対し、野党全党で意見が合わないということで厳しい論議が交わされた」と報告。29日には朝から断続的に交渉が重ねられたことを明らかにした山岡委員長だが、「3月31日までに法案を上げることは譲れない」という一点で、交渉は決裂したことを表明した。
「審議が始まる前に終わりを決めるというのは国会審議を形骸化するものであると同時に、与党の3分の2で可決するという前提の話であるから、参議院の審議も参議院自体の存在も無視したようなものである」と指弾し、衆参両院のあり方をないがしろにするようなことは前代未聞であり、了解することができないとの意見を民主党はじめ野党側は主張し続けたことを重ねて説明した。
そのうえで、山岡委員長は、与党側は本会議終了後に法案を提出する構えを見せていることにも言及し、「その時点から国会は衆参ともに不正常ということになる」と、与党側の暴挙に徹底抗戦する意向を示した。「民主党にとって命運をかけた闘いということになるし、国会のあり方を守るためにも戦わなければならない」と述べ、国民の皆さまの思いを代弁する本当の意味での「代議士」として頑張っていかなければならないとして、全議員に奮闘を呼びかけた。
続いて安住淳国会対策委員長代理は、与党側がつなぎ法案の提出にうって出た場合、「それは究極の強行である」と指摘、「知性も体力もすべてを使って究極の強行に対抗していく」と表明した。
また、菅直人代表代行は、「今回の与党のやり方は国会の自殺を強要するに等しい、まさに暴挙中の暴挙だ」と述べ、まともな委員会審議を一切行わないまま一挙に本会議で可決・成立を目論む政府与党の横暴ぶりを、厳しい口調で批判した。
さらに菅代表代行は、「これは増税法案でもある」と指摘。3月末が期限である揮発油(ガソリン)税の暫定税率は、そのまま期限を迎えれば本来税が下がるはずであったものを無理やりに元に戻してつなぐ、「まさに増税法案だ」と語った。
同時に、「国土交通省にとっては首相の首の一つや二つが飛んでも自分たちの巨大利権である道路特定財源を死守することを優先するということでもある」との見方を示し、官僚政治を象徴するものであり、同時にそうした官僚政治に自民党がすっぽりはまっていることを象徴するものでもあると分析した。
「これを阻止するのは並大抵のことではないが、つなぎ法案の成立を阻止するなかで、国民の理解を拡大していけば、民主党が真の改革政党であることが理解される」と述べ、全議員に全力を傾注してこの事態に臨んでほしいと呼びかけた。
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