民主党・新緑風会・国民新・日本の羽田雄一郎議員は31日午前、予算委員会において(1)ねじれ国会(2)地方分権(3)食の安全(4)医療――について、福田首相をはじめ関係閣僚の見解を質した。
羽田議員ははじめに、福田首相に対して「参議院は不要か」と問い詰め、「つなぎ法案」をめぐる与党の強硬な姿勢を批判。議会の持ち方を含めルールを定める必要性を主張した。福田首相は、徹底して話し合いを求めてきたことを強調。「結果が全て」と述べ、国会審議を無視しての「つなぎ法案」を可決させようとした与党側に対し、何ら問題意識はないとの姿勢を貫いた。
そのうえで、「ねじれ国会」では審議が進まないとする論調に反論。参議院において審議不十分な強行採決はなくなったこと、「被災者生活再建支援法改正案」など与野党修正合意により多くの法案が成立したことなど、「ねじれ国会」による成果であるとの認識を示した。一方、参議院で可決された「年金保険料流用禁止法案」「農業者戸別所得補償法案」について、衆議院で審議さえされない状況であることを指摘。福田首相に「責任ある政治を見せて」と強く求めた。
地方分権については、15年前から進展が見えない「道州制」の積極的な取り組みを求めるとともに、三位一体改革により3年間で交付税を約5兆円削減、地方の自由裁量を拡大することなく補助金を約4、7兆円削減するなど疲弊する地方財政を指摘。「中央の失政のつけを地方に押し付ける」制度を改め、補助金、特定財源を見直し、一括交付金化に変えるなど、地方に自主性を持たせるようにと提言した。
羽田議員はまた、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で再び問題となっている食の安全について言及。舛添厚生労働相は、問題発覚の経緯を説明するとともに、被害拡大防止、原因究明、再発防止に取り組んでいるとの現状を述べた。羽田議員は、12月末に最初の事例発生から30日の報道まで、約1カ月も経過していることを問題視。「大きな責任が行政にある」と指摘し、見解を求めた。舛添厚労相は、物質検証等に時間がかかった、など説明したうえで、問題発覚が遅れた原因として「現在の制度、法律に不備があるのなら改善する」と明言した。
次に、救急患者の搬送をめぐっても指摘されている安心を揺るがす地方の医師不足の問題について質問。舛添厚労相は「総数は足りているとは思わない」と述べ、医師不足が特に顕著な産科、小児科、外科など診療科による偏在、開業医・勤務医による偏在など問題点を挙げた。さらに、里帰り出産を積極的に取り組んでいる長野県飯田市の市立病院への視察にも言及し、「長野県は寿命が長く医療費も低く日本のモデルケースになりうる」との認識を明示。その長野においても、産科医の不足により4月以降里帰り出産が厳しいとの現状を報告した。羽田議員は、助産師さんの活用など医療体制の再構築をと要請。舛添厚労相は、産科医離れの一因ともなっている訴訟リスクへの対応策含め積極的に取り組む意向を語った。
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