田中康夫議員は31日午前の参議院予算委員会で、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して質問に立ち、輸血用血液の感染性因子の不活化技術の導入、地方財政健全化問題などについて質した。
田中議員は冒頭「なんちゃって小泉竹中、へなちょこ構造改革の追憶に浸っているときではない」と、わずか5年間で日本の借金が250兆円増えた状況を指摘。これから1年間に80万人のペースで人口が減少する中、日本は「地域分担型でありながら世代分断型ではない平らな社会」を目指すべきとして、行政の発想の転換を求めた。
続いて田中議員は、平成19年(2007年)に献血された414万件のうち、102件がHIV陽性であったという報道に言及。薬害エイズ、薬害肝炎問題をめぐる行政の対策の遅れにも触れて、ウイルス不活性技術の早急な導入について見解を質した。福田首相は「エイズ問題は深刻に考えなければならない。対応に時間をかけてはいけない。早急に厚労省が結論を出すべく督促をしたい」などと答弁した。
田中議員はまた、増田総務大臣に対して地方の疲弊の解決策、地方財政の健全化策を具体的に示すよう求めた。大臣は「投資的経費を増やすだけでは地域経済がよくならない」として財政の構造改革に言及、分権国家に向けて地域の税の偏在是正などの対策へ順番を考えて取り組む考えを述べた。
田中議員はこのほか、地方自治体の退職手当債発行予定額、間伐材の有効利用、開かずの踏み切り対策や電線地中化事業などの具体的な例について関係大臣の見解を質した。
積極的な減税と既得権益の補助金の廃止によって経済成長を実現させた米国の州の例にも触れ、行政の発想転換を強く主張。「水が出てくるまで井戸を掘り続ける」と言って水の無い場所を掘り進めてきた結果、1週間で1兆2千億円、国の借金が増えていることを踏まえ、的確な認識をもって的確に行動し、明確に責任をとることが政治の責務だとして質問を締めくくった。
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