衆議院予算委員会で12日、松本剛明議員が質問に立ち、馬淵澄夫議員に引き続いてまず、10年間で59兆円の道路特定財源を投じて1万4000キロを整備するとしている道路整備中期計画の基となる交通センサス(交通量等の推計)の問題を取り上げた。
政府がこれまで最新としてきた平成14年統計より、さらに新しい平成17年の統計が平成19年3月に報告書としてまとめられている事実があることを問題視した松本議員は、冬柴国土交通大臣に同委員会の審議までその事実を知らされていなかったことを確認。その上で最新データに基づかない道路整備中期計画のあり方を極めて問題視した上、過去データに基づく計画のもとに暫定税率維持を打ち出す政府の姿勢に疑問を呈し、「いうなれば国民一人当たり(10年間で)50万円の請求書を突きつけるにもかかわらず」と述べ、その根拠が新データでなくていいのか。推計より違う新データに基づかなくていいのかと問い質した。
しかし、冬柴国交相は「最終報告でないものを私が知ることが望ましいが、ファイナルのものが出てきたときはきちんと使うということでご理解を」と逃げの答弁。松本議員は秋にはそのデータがまとまるにも関わらず、その結果を待たずに、本来期限を迎える暫定税率を廃止せず、現実に合わない過去データに基づいて延長させようとする政府の姿勢を重ねて「それでいいのか」と指摘。最新データの状況分析に基づき判断すべきと提議した。
続いて、「政治主導の問題」としてクラスター爆弾の問題を取り上げ、非人道的なクラスター爆弾の廃止に向けて、政府がどういう方針で臨むかを確認したいと表明。高村外務大臣は「日本の方針はCCW(特定通常兵器使用禁止制限条約)の枠組みにおいて国際約束をつくろうとするもの」と答弁。使用だけでなく、開発も即時に禁止すべきであるという主張を展開しているとした。それを受けて松本議員は、主要な生産国・保有国を巻き込んでいく重要性を共感し、外交力を確保しながら積極的に主張するよう求めた。
松本議員はまた、「日本銀行の独立性は大変重要な要素である」として、日本銀行の独立性に言及。その認識でいいか質したのに対して額賀財務大臣は、「その通り」と述べながらも、「金融政策の独立性として、通貨・金融の調整は尊重されなければならないと日銀で明記している。同時に金融政策は政府の経済政策と一貫をなすものであると明記されており、政府の基本方針と整合的でなければならないと思っている。常に政府と日銀は十分な意思疎通を図っている」などと答弁。
さらに「金融政策は日銀の自主性に基づいている」としながらも、「財政政策と金融政策は全くつながりがないわけではない。お互いに経済全体をみながら整合性のとれたものでなければならない」と述べた。松本議員は、独立性の議論であるにも関わらず「一体となって」との議論が多すぎることを指摘。「独立性というのは、制度が市場の信任にもつながっている。それによって微妙なバランスが取れている」との見方を示した松本議員は、「くれぐれも人事などでバランスが崩れたことのないように」と釘を刺した。
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