鳩山由紀夫幹事長は19日午前、海上自衛隊イージス艦「あたご」と千葉県勝浦市の漁港に所属する漁船の衝突事故を受け、党本部で記者団に見解を示した。
まず、「行方不明になっておられるお2人が早く見つかってほしい。無事でいてほしい。国民の一人として、民主党としてそんな思いである」と表明。その上で、イージス艦には高性能レーダーを装備していたにもかかわらず、漁船との衝突を避けることはできなかったのかと疑問を呈した。
「海上自衛隊は何としても衝突を避けるべきではなかったかと思っている」と述べ、海上自衛隊に猛省を促したいとした。「こうした衝突が避けられないなかで、ミサイル防衛システムなど、本当に大丈夫なのかという思いも禁じえない」とも語り、衝突事故を起こしたイージス艦は、日米間で進められているミサイル防衛(MD)の中核的な役割を担うとされていることから危機感を示した。
さらに、石破防衛大臣への連絡が事故発生から1時間半後だったことなど初動のもたつきを問題視する指摘をどう見るかとの記者からの質問には、「防衛省のしくみの大変大きな問題である。こうした事件は数分以内に通知が大臣に届かなければ話にならない」と批判し、「日本の防衛力は心もとないという思いがする」との見方も示した。防衛省全体として、相当に気の緩みを感じるとの見解も示した。
民主党としての対応については、委員会質疑などで厳しく追及していくと表明。同時に、「防衛庁の省昇格に当たっては、あまりにも不祥事が続いていたので本当に大丈夫なのかという思いがあったが、国防は大変重要な国家の仕事であるとの認識のもと、苦渋の選択のなかで省への昇格を認めたわけだが、このような事故や事件を起こし続けている体制自体、大変緊張感が足りない、何かが抜けていると思わざるを得ない」とも断じた。
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