岡田克也副代表は21日午前、衆議院予算委員会の道路特定財源に関する集中審議で、道路整備中期計画を見直す決断を福田首相に求めた。
岡田議員はまず、10年間で59兆円を投じる道路整備中期計画について、この素案は国土交通省のものであって内閣のものではないこと、閣議決定もされていないことを指摘。「未だに内閣としてのきちんと決まった計画が無い状況で、(65兆円の)素案を予算委員会で議論しなければならないことは不本意だ」とした。福田首相は「審議材料として十分な内容になっている。政策決定プロセスとして間違っているものではない」と語った。
財政が厳しくなり人口推計が変わる中、「日本の競争力のために道路が必要」という主張は本当に正しいのかと岡田議員は指摘し、立派な道路が造られても使われず、維持管理費が重荷になりはしないか懸念を挙げた。今年秋のセンサスをもとに新しい推計をすることは可能だとした首相に対し、将来交通量の推計はもう一度見直す必要があると見解を示した。
費用・便益分析へも疑問を投げかけ、「人口が減るから(道路造りを)止めていいということにはならない。この10年、頑張らなければならない」と述べた冬柴国交相に対し「全くものの考え方が違う。人口が減るからこそ、必要なことは『選択と集中』だ。そのための議論を行っている。この国をつぶすつもりか」と、本州四国連絡橋道路の例を挙げて厳しく迫った。
開かずの踏み切り対策など道路整備の事業については、これまでの実績を中期計画目標と比べた場合、実現可能性が怪しいことを指摘。「最初に予算ありき」の姿勢を問題視した上で、道路特定財源の一般財源化は改革の本丸であり、その流れを福田内閣が止めてはならないという考えを示した。首相は、今後枠を広げるとともにユーザーの理解を得るため、努力をする考えを述べた。
岡田議員は、今まで指摘されてきた素案の問題点を乗り越えられるかたちで中期計画を作り直し、国会でしっかり中身を議論する必要が有ると主張。新しいデータに基づいて、国民誰もが信頼できる計画を1年間かけて作る政治決断を首相が行わない限り、議論は平行線になるとした。
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