25日、菅直人代表代行を団長とする民主党代表団は、ソウル市中の国会議事堂前で開かれた大統領就任式に外国からの来賓として出席した他、政権交代後の日韓関係の重要性を踏まえ、韓国の各界の要人との交流を精力的に展開し、意見交換を行った。
先月、次期大統領特使として来日し、小沢一郎代表を表敬訪問した李相得国会副議長との会談では、冒頭、同副議長から就任式出席への謝意が表されたのに続き、日韓関係では様々な分野で進展があったが、「政治がもっとも協力関係ができていない」分野であり、与野党と協力していきながら「協力関係を復元できると確信している」との発言があった。また、日本からの謝罪を求めず、過去にとらわれないで未来志向の姿勢で臨み、政治が経済や文化交流と同じように両国関係において役に立つことを願っている、との見解が示された。
菅代表代行は、未来志向でいくことに賛意を示すと同時に、日韓の不幸な歴史を記憶に留め、反省も必要であると述べた。また、日本人にとって「北朝鮮の核は最大の脅威であり、また拉致事件は最大の関心事」であるとして、この二つの問題解決に日韓が協力して取り組んでいくことを強調、李副議長も共に解決していくことが大事であると応じた。さらに菅代行は、二国関係のみならず、北東アジアの問題についてまず日韓がよく話し合うことが必要であると語った。
また、李副議長は、先般、小沢代表が韓国を訪問し(実弟である)大統領と会談した際、永住外国人に対する参政権に賛意の発言をしたことについて触れ、改めて民主党の方向性を尋ねた。これに対し菅代行は、民主党は永住外国人の参政権について以前党として(賛成)を決めた経緯があることを紹介し、代表の発言も踏まえ、実現していきたいと述べた。
その他、日韓FTA、EPAに関する活発な意見交換が行われ課題も示される中、李副議長は、「大統領はビジネス出身ですから、ビジネス中心にいくでしょう」と、両国経済関係のさらなる発展に向けて新政権が積極的に取り組んでいくことを示唆した。
会談後、菅代表代行一行は、国会議事堂内で韓昇洙国務総理(首相)に紹介され、堅い握手を交わすとともに、協力関係を確認し合った。また、全国経済人連合会の趙錫来会長他数名の役員との昼食懇談で、FTA、EPA問題を中心に幅広い意見交換が行われた。
26日には李明博新大統領への表敬訪問を行う予定。同代表団には、近藤昭一衆議院議員(副団長兼事務局長)、家西悟参議院議員(副団長)、松野信夫参議院議員、川合孝典参議院議員が同行。
|