松本剛明議員は26日午後、衆議院予算委員会の社会補償問題に関する集中審議で、年金・医療について福田首相をはじめ関係閣僚に見解を質した。
松本議員はまず、年金問題を取り上げ、福田首相の所信表明演説における「現行制度の持続可能性が問われている」との発言について、その真意を問うとともに改めて現行制度への見解を訊ねた。福田首相は、少子高齢化など社会状況の変化を踏まえ、社会保障のあるべき姿、政府の役割、負担の仕方等、抜本的制度改革を進める方針を明示、「社会保障制度全体の中で年金をどう考えるか」といった観点も含め、国民の信頼を得られる制度をつくる必要性を述べた。
福田首相に年金制度の抜本的改革を進める意思があることを確認した松本議員は、所得比例の年金に加えて最低保障分を税で負担するとする民主党の考え方を改めて説明、福田首相に所見を求めた。福田首相は「一つの考え方としてありうるもの」として、抜本改革に一定の理解を表明。舛添厚生労働大臣も、最低保障年金の規模、制度の移行に伴う混乱等を指摘しつつも、現行制度の抜本的改革こそが喫緊の問題であるとして、今後の議論につなげていく考えを示した。
松本議員は次に医療問題について、高齢者の医療制度(後期)を独立させる意義を追及。舛添厚労相は、高齢者全体に十分なケアを行うため、安定して運営できる制度をつくる必要性を述べ、高齢者の負担については従来とほとんど変わらないと主張した。これに対して松本議員は、所得が少ない人の負担は増えるなど、高齢者への十分なケアのためではなく、財政上の理由からの制度改革ではないかとして、「財政上のつじつま合わせにはなるが高齢者への健康のメリットにはならない」と指摘、当面凍結されている同制度の抜本的改革を求めた。
また、深刻な医師不足の問題についての認識を問われた舛添厚労相は、診療科による偏在、地域による偏在含め「医師は足りていない」と明言。現在、私的諮問機関を設置し、「安心と希望の医療ビジョン」なる長期的医療ビジョンを検討中であることを明かした。松本議員は、私的諮問機関のみならず広く国会の場で協議していくよう提唱した。
最後に松本議員は、医師臨床研修制度の定員見直し、公立病院の公務員勤務医の兼職のあり方、医科大学の定員のあり方等、医師不足解消に向けて検討の必要性を訴え、質問を終えた。
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