簗瀬進参議院国会対策委員長は7日午後、国会内で定例の会見を行い、参議院での予算審議が空転していることに対する民主党の考え方や政府・与党が日銀総裁人事を国会に提示したことを受けての今後の対応などについて、記者団に語った。
はじめに簗瀬参議院国対委員長は、同日共産、社民両党を交えて参議院野党国対委員長会談を行なったことを報告。参議院予算委員会を鴻池予算委員長が職権で開催していることに触れ、「委員長は理事懇談会の協議もなく職権で勝手に4回連続して委員会を立てた」と強く批判するとともに、民主党など野党が不在の委員会に各大臣が待機するというパフォーマンスは「偽装委員会」であると非難した。
また今後の予算委員会への対応について、異例の4日連続の委員長職権行使であることや野党に対するあからさまな誹謗中傷を行なった委員長の言動などの問題に対して与党はどのようにけじめをつけるのかを、同日開催される自民党参議院国対委員長との会談で明確な回答を求めていく考えを示した。その結論を持って、来週予算委員会をどのような形でスタートしていくのかを改めて協議するべきであるとの見解を明らかにした。
次に日銀総裁人事が国会に提示されたことを受けて、簗瀬参議院国対委員長は、議院運営委員会で所信聴取を行なう際の対応については、「直嶋政調会長をはじめ、質問や発言を行なう予定者で協議する」との方針を打ち出した。あわせて、人事検討小委員会で提示の内容を確認し、部門会議で武藤日銀総裁候補のこれまでの発言や実績なども踏まえて議論することとなった。
さらに簗瀬参議院国対委員長は、「我が国の天下りの構造の中心になって財務省が長い間コントロールしてきた姿を変えていきたい。その最大のチャンスが今回の日銀総裁人事である」と持論を展開すると同時に、「かねてから人事の活性化という観点でも、開かれた国民の前で議論すべきであると訴えていた。しかし与党の抵抗で出来なかったことが、今可能になった。それだけ歴史的重大な出来事が、民主党が参議院第一党になったことで実現できるようになった」とその意義を強調した。
最後に日銀総裁が空席になった場合の責任論について問われると、簗瀬参議院国対委員長は、「もし与党が我々に責任論を問うのであれば、自らの任命権を我々に委ねれば良い」と切り捨て、あくまでも責任は任命権者にあり、与党は責任のなすり付けをしているに過ぎないとの認識を強く主張した。
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