14日午後の参議院予算委員会で、自見庄三郎議員は、郵政民営化見直しや社会保障費予算の増額などについて福田首相らの答弁を求めた。
自見議員は冒頭、郵政民営化について、分社化によるサービス低下や付帯決議の無視、制度の欠陥など様々な欠陥があらわになっていると指摘。独自に行った調査の結果を示しつつ、国民生活へ影響が及んでいることを明らかにした。福田首相は民営化の考え方の基本は間違っていないとしつつも、簡易郵便局の一時閉鎖の問題について責任ある報告を約した。
自見議員は続いて、医療問題を取り上げ、医師の労働環境に関する労働基準局の調査について舛添厚生労働大臣の報告を求めた。過重労働による医師の疲労の蓄積は、勤務医の減少や医療の質の低下に直結するとの見解を示し、社会保障費の伸びを2200億円削減する政策の凍結を求めた。舛添厚労相は、医師数は十分ではないとの認識を示したが、福田首相は、財政負担を解消する努力が国には求められるとして凍結に慎重な考えを変えなかった。
自見議員はまた、財政再建至上主義からの脱却を訴え、財政支出による景気振興策の実施を主張。日米・世界モデル研究所の宍戸所長が試算した日本の中長期の経済社会の予測とシミュレーション分析を行う多部門(デミオス)モデルと内閣府のモデルを比較、大田経済財政担当大臣に公開討論への参加を呼びかけた。
さらに「構造改革」による規制緩和の悪しき結果がタクシー事業の自由化であるとの見解を示し、事故の増加や運転手の雇用時間の延長や収入の大幅減少などの問題は看過できないと指摘。需給のバランスを欠いている地域では台数調整など適切な再規制の実施が必要として見解を質した。冬柴国土交通大臣は、仙台の例などを挙げたが、再規制には慎重な見方を示した。
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