民主党は18日午後、直嶋正行政策調査会長をはじめ、法案発議者の佐藤泰介、鈴木寛両参議院議員らが、「高等学校教育無償化法案」ならびに「教科書バリアフリー関連3法案」を参議院に提出した。法案提出後、直嶋政調会長らは会見し、「日本国教育基本法」の精神で立法化した法案の成立を目指す意気込みを語った。
はじめに直嶋政調会長は「高校教育無償化法案」について、「以前、我々が法案提出した子ども手当て法案は中学卒業までのお子さんに対して月額2万6千円の支援をするということだったが、それと1セットとなる」と述べた。
「教科書バリアフリー関連3法案」については「視覚障害の児童や生徒への教育推進に資するために視覚的バリアフリーの教科書作成を義務付ける」ことを目的とし、(1)教科書発行者に標準的な規格の拡大教科書の発行等を義務付ける新法の制定、(2)小中学校及び高等学校の通常学級に在籍する視覚障害を有する児童生徒について、拡大教科書・点字教科書の無償措置・購入費援助を定める新法の制定、(3)特別支援学校の高等部の専攻科の視覚障害を有する生徒に対し、「音声教科書」購入費について援助を行うための法整備、以上の3法案から構成されていることを説明。
続いて佐藤議員が「高校教育無償化法案」立法の精神について発言、「昨年教育基本法が改正された際、対案として提出した『日本国教育基本法』を基に、子どもたちの学習権をあらゆる立場から保障していくための取り組みである」と語った。水岡議員は、法案の内容について、国公立高校標準授業料額(年間118,800円)を設定し、高等学校の課程に類する課程がある学校の生徒の保護者に対して、原則として36か月分(3年分)支給すると説明した。
「教科書バリアフリー関連3法案」については、鈴木議員が、現在、弱視の児童生徒の1/3にしか拡大教科書が行き渡っておらず、事態は全く変わる様子がないことを指摘しつつ、「全ての弱視の児童生徒へ拡大教科書が行き渡るように教科書発行者に義務付け、無償措置または購入費援助を行うもの。さらに音声教科書についても同様に支援措置を施すものである」と説明。
これらの法案に対する予算措置が担保されるのかとの記者の質問に対し、直嶋政調会長は「既に部門会議でも精査を行った。財源の確保は可能である。我々が政権をとれば、今の政府の予算編成を抜本的に見直し、国民の生活にとって本当に大切なところへ使い道を変えていく」として、財源の心配はないとの認識を表した。
なお会見には谷岡郁子、大島九州男両参議院議員らも同席した。
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