21日午後、直嶋正行政策調査会長をはじめ、法案発議者の福山哲郎、辻泰弘、大久保勉、藤本祐司、尾立源幸、大塚耕平、藤末健三の参議院議員が「揮発油税等の特例の廃止に伴う調整措置の実施に関する法律案(ガソリンスタンド対策法案)」ならびに「租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及正当性の検証等に関する法律案(租特透明化法案)」を参議院に提出した。
提出後の記者会見で直嶋政調会長は、2法案の趣旨を説明。「ガソリンスタンド対策法案」について、4月以降、ガソリンをはじめとする揮発油税等の暫定税率が廃止された場合、ガソリンスタンドなどの揮発油または軽油の販売業者が、既に暫定税率分を上乗せしたかたちで仕入れた在庫分について、その暫定税率分を負担することなく価格の引き下げを行えるよう、税の救済措置をとるものであると説明。ガソリン税は製造元から出荷の際に課税される蔵出し税であり、暫定税率が廃止になった場合、全国のガソリンスタンドが負担する額は700億円程度にまで及ぶと明かし、この法案により、現品を返品せずに書類、伝票上で一度製造場に返品したかたちで処理、新たに暫定税率分を除く低くなった価格で仕入れたものとみなして税を還付、在庫分について販売業者の負担をなくすことが可能になるとした。
なお、平成元年および9年、揮発油税と同じ蔵出し課税の酒税法改正の際に同様の措置がとられている。
「租特透明化法案」については、各省庁で82本、3兆4千億円にもなる租税特別措置について、整理、効率化するためのもの。現在、租税特別措置に関しては、政策効果含めて調査していないのが実態であり、その廃止を含めた見直しを行い、行政目的を実現する手段として相当、有効であるかどうか及び公平原則に対する例外として合理的なものであるかどうか十分検討したうえで3年以内に措置をとるものである。
4月1日の暫定税率切れを迎えるまでに法案が採決されなかった場合、現場に混乱が生じるのでは、との記者団からの指摘に対しては、通常、仕入れから納税まで1ヵ月程度の猶予があるとして、3月末までに採決されなくとも実態としての影響はほとんどないことを強調した。
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