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2008/03/25
【参院予算委】八代公述人らに規制改革の結果を質す 小林、森田両議員
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 小林正夫、森田高両議員は、25日午後の参議院予算委員会公聴会で、国際基督教大学教養学部教授の八代尚宏氏、跡見学園女子大学マネジメント学部准教授の中林美恵子氏の両公述人に対する質疑に立った。

 小林議員は、2003年の労働者派遣法改正以来、日雇い派遣やスポット派遣などが広がり、不安定雇用や劣悪な労働条件が社会問題化し、法令違反も見られると指摘。「労働者保護を置き去りにして、使用者のための規制緩和を行ってきたことが原因であることは明白だ。規制改革会議に大きな責任がある」として、八代公述人の見解を求めた。

 八代公述人は、違法行為は許されないとした上、日雇い派遣など新しいタイプの派遣について、少しでも長く働く期間を延ばしていくことがポイントだと指摘。派遣法は派遣事業者を規制するよりも派遣労働者を保護する法律でなければいけないとして、就業期間の規制は本当に労働者のためになっているのかについて問題を提起していると説明した。

 小林議員はこれに対し、使用者側が責任を持って労働者を雇用し、働かせる社会に戻さねばならないと主張。八代公述人は、日雇い派遣の禁止でもっとよい働き方に移行が可能かについて取り上げ、他者の参入による競争を通じて寡占的な派遣会社のマージン率を下げ、労働者の利益を高める施策を提案した。

 小林議員はまた、ハローワークの民営化について公述人の意見を求め、民営化ありきではなく、よく考えて進める必要があるとした。小泉政権下で経済財政諮問会議や規制改革会議の民間有識者によって規制緩和が進められたが、働く人を大切にする社会作りとは逆方向の施策が推進され、新たな既得権益が法律改正によって実現された結果、社会に大きなひずみが現れたと指摘。参院選の結果、政策決定の場が国会に戻ってきたとして、働く皆さんの生活を重視した政策を作り上げる決意を示した。

 続いて質問に立った森田議員は、主に社会保障政策と経済・財政について両公述人に見解を求めた。森田議員は「わが国が国力に見合った医療費を出してきたとは到底考えられない」として、絶対的な医療費不足がもたらす問題に言及。医師や看護師、看護職員の不足、過重労働、現場の絶望、立ち去り型サボタージュ現象、地域基点の医療崩壊、医療事故率の上昇、最終的には医療不信、医療すべてに連関すると指摘し、「医療現場の政治不信は益々強まっていると言わざるを得ない」と語った。

 社会保障費を毎年2200億円削減する政策が、国民に将来の医療介護への不安を招き、消費を喚起しない可能性にも触れ、「いま必要なのは医療費、社会保障費の削減ではなく、ドラスティックな歳出構造の変革だ」と主張。今から20年間で人口が800万人減り、後期高齢者が2倍に増える社会における国家財政のポートフォリオを質した。

 八代公述人は「現在の医療費の使われ方は、本当にこれ以上効率化の余地のないものなのか」と提起。後発薬の利用、過剰検査を招く高価な医療機器の集約化、開業医と勤務医の間の仕事の差などを検討例として挙げ、「今の医療供給体制の問題を放置したまま、必要に応じて医療費を増やしていくと財源がパンクする可能性がある」と、効率化の努力を訴えた。

 中村公述人は、診療報酬本体のプラス改定や緊急医師確保対策において、平成20年度の予算編成が医療の問題に着目していることは確かだと語った。また、医療コストの各国比較に言及し、いかにして医療の資質を効率的にしていくか、大きな政策のリーダーシップが必要だと述べた。その上で「財源なくして医療改革はできない。大々的に変えるのは国会議員の努力であり、審議をお願いしたい」と述べた。

 森田議員はこのほか、ジェネリック医薬品普及や公的医療保険制度について公述人の見解を求めた。

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