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2008/03/26
人間の尊厳を冒す後期高齢者医療制度は何としてでも廃止する 大集会で菅代行
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 民主党はじめ、共産、社民、国民新、新党日本の野党5党は26日夕、東京都憲政記念館で、政府・与党が4月から75歳以上を一律に「後期高齢者」と位置づけ、全く独立した医療保険に加入させる「後期高齢者医療制度」を導入することに断固反対する立場から、同制度の廃止を求める大集会を開いた。

 はじめに山田正彦『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣が約300人の参加者を前に開会の挨拶に立ち、2月に提出した同制度の廃止法案について、4党共同で提出した初めての法案だと説明。「導入されたら医療をまともに受けられずに孤独死する方々が今以上増える。どんなことがあってもこの法案を阻止しなければならない」と気勢を上げた。

 長妻昭政策調査会長代理は「先進国を見ても、ある年代以上を分ける保険制度を新たに作る国はない。幅広く国民の皆が支えるという流れと逆行する」と厳しく批判。「消えた年金」問題を3月末までに解決するとした公約も守れないまま、保険料を年金から勝手に天引きしようとする政府・与党の対応、毎月1兆円の税金が天下り団体へ流れている実態を指摘して「医療は削っても道路の10年59兆円は1円も削りません、という政府の姿勢は容認できるものではない」と、厳しい口調で同制度の廃止を訴えた。

 続いて菅直人代表代行が挨拶に立ち、「日本の社会保障の根幹が大きく歪められる制度」との認識を示した上で北欧諸国の年金制度に触れて「しっかり保険料を納めることで、しっかりとした医療サービスが受けられる。政府への信頼であり、制度に対する透明性が極めて高いことが社会保障制度の根幹にある」と述べた。

 また「消えた年金や天下りのために59兆円を使う一方で、予算が足らないからと国民負担を強いるやり方に、国民は納得するはずがない」と指摘し、「政府・与党はこの考え方を根本から変えないと、少子高齢化に備えての社会保障制度は壊れかねない」と危機感を募らせた。

 さらに75歳以上だけを切り分けた制度策定について「ある種の差別的な扱いをしても仕方がないという本音が厚労省に見える。これは人間の尊厳を冒す制度であり、我々は何としてでも制度そのものを止めさせる」と訴え、挨拶を締めくくった。

 なお、志位和夫委員長(共産党)、福島みずほ党首(社民党)、自見庄三郎副代表(国民新党)、田中康夫代表(新党日本)など各党の代表者が同集会で挨拶した。

 集会では(1)70歳から74歳の医療費自己負担引き上げは廃止する、(2)75歳以上の被扶養者約200万人に対する新たな保険料徴収は廃止する、(3)保険料の年金からの天引きは止める。あわせて前期高齢者の国保料を年金から天引きするのもやめる――の3点を中心に同制度の廃止を求める決議を行い、その実現に向けたがんばろうコールで幕を閉じた。

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