小沢一郎代表は1日、党本部で定例会見を行い、「消えた年金」問題に関して「最後の1人まで、最後の1円まできちんと支払う」として、政府は今年3月末までの問題解決を公約したにもかかわらず、「5000万件」のうち持ち主が判明したのは417万件・全体のたった8%にとどまっている現状を重く受け止め、「『消えた年金』問題の解決に向けた民主党声明」(全文は下記ダウンロード参照)を発表した。
声明のなかで小沢代表は、年金記録が回復されたのは全体の8%にとどまっているにもかかわらず、「ねんきん特別便」の送付をもって「公約は守られた」と開き直り、国の総力をあげて問題解決に当たらない政府・与党を改めて問題視。「その姿勢を転換しない限り、『消えた年金』問題は永遠に解決されず、国民の権利は侵され続けることになる」と指摘。加えて、「本日から導入された『後期高齢者医療制度』は、不確実な年金から医療保険料を天引きする高齢者いじめの制度だ」と述べ、即時撤回すべきとの考えを示した。
小沢代表はまた、「消えた年金」問題に関して、「政府・与党は率直に公約違反を認め、国民に謝罪し、問題解決の再スタートを切ることを要求する」と声明で言明。その第一歩として、まず厚生労働大臣は国民に対して責任を取らなければならないとしたうえで、(1)問題解決のめどをつけるため、国家プロジェクトとして取り組む、(2)8億5千万件の紙台帳のほか、埋もれている台帳を探り出し、年金記録を徹底的に訂正する、(3)問題の全体像を正しく把握するため、サンプル調査を行う――などの抜本的な対策の実施を求めた。
そのうえで、「もし、政府・与党がこれまでの手法の間違いと公約違反を認めず、問題解決を放置し続けるならば、国民生活を守るために、速やかに政権を交代して、我々民主党に問題解決を委ねるべきである」と締めくくった。
声明を受けて、舛添厚労相に対して問責決議案の提出もあり得るかとの記者団の問いには、「国民に結果としてうそをついたことになるので、所管大臣の責任は非常に重いと考えている」と語り、自発的に謝罪し、自らその責任をとるという行動に出ない場合は問責決議案の提出も選択肢のひとつとして考えながら監視して行くと述べた。
さらに、問責決議案の提出に値すると判断した場合、審議拒否をしてでも辞任に追い込むのかとの記者団からの質問には、まだ提出を決定したわけではないと改めて前置き。そのうえで、「問責決議案は衆議院で言えば不信任決議案に当たる。これが可決するということは院において国務大臣として認められないということだ」と述べ、民意として不適当・不信任とした場合、事実上、院での活動を否定するものであると説明し、「審議拒否などという言い方は理解していない」と述べ、審議拒否などとする論調自体が誤りであると指摘した。
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