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2008/04/02
「生活保護受給者の通院移送費削減」局長通知の撤回を求める(談話)
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民主党『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣 
山田 正彦

 厚生労働省は、3月3日、社会・援護局関係主管課長会議において、4月から生活保護受給者の通院移送費(交通費)の取り扱いを変更する運営要領案を提示し、4月1日、局長通知を出しました。改定によれば、これまで生活保護受給者に対し支給されてきた通常の通院にかかる移送費が原則支給対象外となります。

 民主党は、「生活が第一」「格差是正」の視点から、昨年末、生活保護基準の引き下げに反対し、これを一年先送りさせるという成果を得ました。今回の通院移送費削減は、昨年末の生活保護基準の引き下げと同一線上にある問題として、これに反対の立場を表明します。

 通院移送費の支給がなくなれば、保護利用者としては、生活費等の中から通院費を捻出しなければならなくなりますから、これは実質的には「保護基準の切り下げ」です。生活費等からの捻出が困難な人は、通院を抑制あるいは断念しなければなりませんから、治療が受けられなくなり、その生命や健康が危険にさらされます。

 通院移送費を原則不支給とする理由として、厚生労働省は、「濫給防止」を掲げ、約2年間で総額2億3千万円を超える額が給付されていた北海道滝川市における不正受給事案を持ち出しています。しかし、通院移送費全般の支給実態に関する調査をいっさい行わないまま、極めて特殊な詐欺事件を理由に少額の通院移送費全般を削減しようとするのは、明らかに論理のすり替えです。

 生活保護世帯の約8割は高齢、障害・傷病世帯であり、その多くが何らかの疾病を抱えています。滝川市事件を口実に落ち度のない一般の受給の通院移送費を削減するのは、巨悪の責任を弱者に転嫁するもので姑息とさえ言えます。

 こうした改定を行うためには、受給者や保護行政を担当する地方自治体の意見を十分に聞くべきです。しかし、何の意見聴取もされていないため、受給者はもちろん、自治体からも、東京都や横浜市など7自治体が連盟で削減反対の要望を出すなどの事態に立ち至っています。しかも、今回の運営要領案は、3月3日に突然発表し、4月1日に通知を出したのは余りに拙速過ぎます。

 民主党は、今回の拙速な通院移送費の削減に反対し、局長通知の撤回を強く求めます。国民各位のご支援をお願いいたします。

以 上

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