衆議院予算委員会では15日、民主党から安住淳、生方幸夫、原口一博の3議員が 質疑にたった。一番手の安住淳議員は農水省構造改善局の不祥事続発や天下りの横行 などについて、「国民が大変な思いをしている時に官僚が公共事業や補助金を悪用し て常識はずれの甘い汁を吸っている。こんなことが許されていいのか」と政府の姿勢 をただした。
安住議員はまず、同局職員が民間会社から架空の講演料を受け取った事実が同社の 内部告発で明らかになったにもかかわらず、省側が「本人が認めていない」との理由 で処分しなかった問題を取り上げ、「この不祥事の調査委員長は構造改善局長で、身 内に厳しくないのは当然だ。神奈川県警外事課の不祥事では別の課が内部捜査してお り、こうしたやり方でないと調査とはいえない」と指摘。これを受け、保利国家公安 委員長は「(内部の者を調査メンバーから)排除するのは当然」と答えたが、玉沢農 水相は「本人が否定する以上事実はわからない」など常識はずれの答弁に終始した。
続いて安住議員は、構造改善局を次長で退職した元職員が3つの公益法人を渡り歩 いて計1億数千万円の退職金を懐に入れた“渡り鳥”の例を示し、「これは天下りの ごく一例。農水省関連に限らず公益法人の数は政府の抑制方針にかかわらず増えてお り、補助金事業を独占してしている。こうしたやり方は民間では考えられない」と追 及。しかし青木官房長官は「常識的に見て(退職金の)額は高い」としながもら、具 体的取り組みについては答えなかった。
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