トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2008/04/09
【党首討論】国の形「中央集権」を変えることの必要性強調 小沢代表
記事を印刷する





 小沢一郎代表は9日午後開かれた、党首討論で福田首相との論戦に臨み、道路特定財源、日銀総裁人事にからみ、中央集権で官僚支配が続いているこの国を根本から変えなければならないことを強調した。

 討論では、首相からの逆質問が連発され、小沢代表が「総理の質問に答えたい」と笑顔で回答ではなく答弁するシーンが数多く見られ、まさに与野党党首の立場が逆転したような展開となった。

 消えた年金記録問題については、「行政の完全なミスである」として、紙台帳との照合を急ぐよう改めて主張した。さらに、チベットでの人権弾圧事件に関して、来日する胡錦涛国家主席に対してどのように対応するのかを質した。

 冒頭、小沢代表は、ガソリン税等の暫定税率が切れたことを取り上げ、物価上昇、不景気の物価高が懸念されるなか、大きな混乱はなく、住民・国民はガソリンが下がったことを喜んでいる、地方に大きな減税となるとして、衆議院での再議決をしないよう求めた。

 さらに、道路特定財源の一般財源化が政府・与党の方針なのか明確にするよう求めた。

 首相は、質問に答えず、日銀総裁人事が不同意となったことに固執、不同意の理由はなぜなのかと代表に質問。その上で、いつまで暫定税率廃止を続けるのか、続けるとしてその財源はどうするのかも代表に質した。一般財源化ついては総理・総裁として方針と答えた。

 小沢代表は、首相の質問に対して、衆参で多数が違う現実を認識すべきだとしたうえで、財源は今の中央集権・官僚支配の構造を変え、地方・国合わせて150兆円の行政経費の無駄を省けば2.6兆円の経費は出てくると答えた。また、日銀総裁人事については、大蔵省、財務省の人間が必ず総裁・副総裁となる既得権益化していること、その構造が業界・官僚との腐敗の原因になっていることが問題だとした。

 なおも、日銀総裁人事に拘る首相は、「民主党に翻弄された。余程変な人事ではない限り認めるのが国会」と八つ当たり気味に主張した。

 年金記録の照合については、首相は従来からの主張を繰り返すだけで、紙台帳との照合には消極的な姿勢に終始した。

 チベットでの人権問題では、中国の責任だとしたが、胡主席が来日する際に質すかどうかには答えなかった。


 道路特定財源、日銀総裁人事に関する主なやり取りの要旨は以下の通り。

小沢代表 4月1日道路特定財源のうち、暫定税率がなくなった。国民の大部分はガソリンが下がって喜んでいる。道路は整備されてきており、暫定税率分は国民に還元するべきだ。アメリカ経済の減速もあり、日本経済は不景気の物価高になりかねない。2.6兆円を国民に還元するのは大きな意味がある。最近の政治行政の結果、地方は疲弊している。この暫定税率廃止は地方に厚い減税になる。もう一度衆議院で再議決して元に戻すことのないよう要望する。道路特定財源の一般財源化は実行されるなら大賛成。総理の考えは政府与党で正式に決定されたものか。

福田首相 一つ尋ねたい。本日の日銀総裁人事のこと。ベストとして提案した。
副総裁人事が不同意となった。天下りがいけないのか。適材適所、官僚を活用してはいけないのか。適材適所の人物が不同意になった理由を聞きたい。

 ガソリン税が廃止になった。混乱がないわけではない。各自治体も予算が執行できない部分が出てきた。いつまで続くのか。何年続けるのですか。財源をどう手当てするのか。一般財源化は総理・総裁として言った。党の了解も得ている。閣議決定は必要に応じてする。その前に与野党協議、どうか相談に応じていただきたい。

小沢代表 一般財源化は総務会の決定を経ているのか。政府与党の一致がないと協議するわけにはいかない。決まれば協議には応じる。

 参議院で多数を国民からいただいた。与党は1院でしか多数を持っていない。本来なら予算編成から協議すべき。昨年の7月何が起きたか認識がなさすぎる。お互いの主張を認めて協議しなければ。国民の皆さんが与えてくれた過半数の意味の認識が違うのでは。

 長期的な財源は、今までの仕組みを変えることで確保できる。中央官庁で権限もお金も持ち、身近なものも全部決めるのは適当ではない。中央集権は明治以来続いているが、交付金などは地方の自主財源とし、地方自治の範囲とすべき。これで二重三重の行政の無駄を省くことができる。官僚の天下りが2万人。この天下り先に年間12兆数千億円が支出されている。独立行政法人、特殊法人、公益法人は原則廃止、民営化すべきと考える。国・地方合わせて150兆円の行政経費だが、かなり無駄を省ける。

 日銀人事、大蔵省、財務省の人間が必ず正副総裁になる、既得権益化しているのがよくない。各省ともそうしたポストを持っている。それが業界・官界との腐敗の原因になっている。

福田首相 日銀総裁は誰でもできるポストではない。正副総裁の3人はパッケージ。バランスをとらなければならない。日銀総裁人事は民主党に翻弄された。余程変な人事ではない限り認めるのが国会。

 一般財源化も話をしたいのでぜひ協議をお願いする。まだまだ、地方から道路をとの要求がある。地方間の格差をなくすためにも道路は必要。

 悪い天下りもあるので是正していく。

小沢代表 日銀だけでなく官僚機構のなかでがんじがらめになっているのを改めなければ、制度的に官僚が支配するようになっているが良くない。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.