民主党は17日午前、食の安全・安心対策関連法案(「食品情報管理伝達システムの導入の促進に関する法律案」「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律等の一部を改正する法律案」「食品の安全性の確保を図るための農林水産省設置法等の一部を改正する法律案」の3法案)(下記ダウンロード参照)を衆議院に提出した。筒井信隆『次の内閣』ネクスト農林水産大臣、法案担当者で食の安全班主査の岡本充功衆議院議員が事務総長室を訪れ、法案を手渡した。
中国製冷凍ギョウザによる食中毒問題や相次ぐ消費期限及び製造日、原材料表示等の偽装事件に対して、リスク管理機能が十分に発揮できていなかったこと等から、国民の食の安全・安心を守るため、その対策を講じるもの。
提出後の会見で筒井ネクスト農水相はまず、同法案の概要を説明。食の安全と消費者の安心のシステムとして、(1)トレーサビリティシステム構築に対する格付、(2)原料原産地表示の義務付け、(3)期限表示の設定根拠の保存等の義務、(4)輸入に際しての安全性確保措置の届出義務――の4本柱と、食の安全・安心に関する行政組織の抜本的改革案を明示。これらによって「食の安全と消費者の安心」を確保すると語った。トレーサビリティシステムについては、現在牛肉のみに義務付けられているのを拡大・促進し、将来的には義務化する方針を述べた。
岡本議員は、生産から販売までの食品の流通ルートが明確化された場合に限り、その旨を示す「認定」表示がされるトレーサビリティシステムが構築されることによって、産地偽装の防止や消費者の安心に繋がるのではないかとの見解を示した。
また、原料原産地表示の義務付けについては、現在何の縛りのない加工食品、中食・外食に係る食品の安心・安全に一石を投じていきたいとの意向を述べた。ただし、一定の規模に満たない企業に対しては、負担を考慮して適用範囲を設定する。
食品輸入業者等に対する食品等に係る安全性確保措置としては、鳩山由紀夫幹事長がかねてから提案してきた国際食品調査官(仮称)を設けて調査するほか、輸入契約を結んでいる会社間で「輸入業者による現地調査」の実施を義務づける。
食の安全・安心に関する行政組織の抜本的改革においては、食品安全委員会の組織強化とリスク管理機関の一元化を強調。リスク評価機能を担う食品安全委員会のメンバーに弁護士、消費者代表、食品関連企業の経験者等のメンバーを加え、より能動的な機関として独立性を担保、機能強化すること、農林水産省、厚生労働省から構成され、リスク管理を行っている現行組織を農林水産省に一括、食品安全庁(仮称)とすることで生産から食卓まで一元管理が可能になるほか、責任の所在の明確化、適用される法律も一元化、主体的に方針決定を行える機関にしていくことになる。
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