簗瀬進参議院国会対策委員長は23日午後、国会内で定例の会見を行い、衆院山口2区補選に対する参議院民主党の取り組み、暫定税率にかかわる税制改正法案の再議決、後期高齢者医療制度の問題点などについて、記者団に語った。
はじめに、輿石参議院会長が衆院山口2区補選の応援のために山口を訪れたことを報告。民主党参議院を挙げて同補欠選挙勝利に向け、一丸となって国会内外で取り組んでいくことを語った。また同補選の結果が4月末から5月にかけての大きな政局のポイントになるとの認識もあわせて示した。
次に来週29日に暫定税率を維持する税制改正法案のみなし否決により、30日にも与党側は衆議院で再議決する方針を固めていることに対して、「参議院無用論に間違いなくつながっていく。この国の2院制を否定する大変な暴挙である」と声を大にして与党を非難した。
さらに、「与党側が衆議院で3分の2の議席で再議決するならば、ただちに衆議院を解散して、民意のありかがどこにあるのか福田首相自らが問うべき必要性がある」との考えを表した。
続いて簗瀬委員長は、税制改正法案の採決を与党側が求めていることに対して、「財金委員会、総務委員会でもまだまた議論が尽くされていない」の見解を述べるとともに、道路整備費財源特例法改正案を財政金融委員会に付託した理由について、お金が入ってくることとお金の使い道を一体的に議論することで初めて本当の意味での密接な議論ができる」との考えを示し、採決の時期は二段階でやるのではなく、同じタイミングで採決を行うべきであると主張した。
また、後期高齢者医療制度に対する政府・与党の取り組みに対して、「実際に制度がスタートしてしまってから、マスコミや与党サイドは問題点を指摘し始めたことは非常に残念」との所感を述べ、同制度は2年前、小泉元首相のもと、医療制度改革の一環として与党によって強行採決されたものであることを指摘。
「当時もう少し大きく取り上げられていたら、この問題点は深く意識されてきただろう」と先進国の中でも後期高齢者に切り分けて保険料の年金からの天引きを行い、国民の生活を顧みない政府・与党を批判。さらに、簗瀬委員長は、一方で消えた年金問題は全く未解決のまま同制度が施行されたことに、「消えた年金、それでも天引き」と与党の横暴なやり方に強く反発した。
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