11日午後、党本部で開かれた「女性議員ネットワーク会議」で、「産科医・助産師の現状と支援策」について、講演とディスカッションが行われた。
まず、海野信也北里大学医学部産科婦人科教授が「産科医・助産師の現状と支援策」と題して講演し、産婦人科医、助産師が絶対的に不足している現状とその原因について詳しく説明。
海野教授は産婦人科医が毎年178人減り、このままでは病院の産婦人科医は5年間でいなくなる、助産師もこの10年で5万人から2万5000人に減っているとして、現状を指摘。
また、医師不足の原因について、医療訴訟が医師当たりでは産婦人科が一番多いこと、さらに、労働条件がきつく、女性医師が働き続けられる環境にないことなどが挙げられるとした。
医師数の減少を防ぐには、毎年500人程度の新産婦人科医が最低限必要で、分娩できる態勢を維持するには、制度的な改革が必要であると訴えた。さらに、その方法として、地域集約化を図り、1施設10人の医師を確保、働き続けられる環境にすること、医師の待遇改善、無過失補償制度などが必要だとした。
続いて郡和子衆議院議員が、国会での取り組み状況を報告した。この中で、郡議員は、医療・介護の抜本的改革のための作業チームをつくり、議論している今のマニフェストよりも、しっかりした対策を次のマニフェストに書き込みたいとした。
質問意見では、助産院の問題点、60歳定年の公務員医師の活用、新臨床研修制度、集約化する時の時間的な範囲など多岐にわたった。集約化について、北海道では1時間半程度で考えていると海野教授が回答した。
最後に郡議員が「この問題は医療費亡国論に端を発している。国の予算をどう配分するのか、道路から人に投資するようにしたい」と結んだ。
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