小沢一郎代表は13日夕、党本部で定例会見し、道路整備費財源特例法改正案を衆議院の3分の2により再議決した与党の暴挙に対し、第一に「国民の生活、あるいは国民の意向、望んでいることに対してまったく無関心な、自公、福田政権の体質、姿勢を典型的に示すもの」と分析し、福田内閣になって3回目となる再議決を問題視した。
第二に、政府が同日午前の閣議で、道路特定財源を2009年度から一般財源化する基本方針を決定した点にふれ、「とってつけたような閣議決定」と断じたうえで、衆議院本会議の趣旨弁明や討論でも多くの指摘があったように、道路特定財源を今年度から10年間維持するとする道路整備費財源特例法改正案の再可決と、閣議決定は相矛盾するものだとして、「総理および政府与党の言動はまったく筋道が通らない」と批判した。
第三に、再議決は憲法上の手続き論では憲法違反ではないが、憲法の基本理念に反するものだと指摘。そうであるがゆえに、戦後においてはいまだかつて、実質的な再議決が行われたことがなかったと説明し、これまでは主権者の意向を尊重し、二院制の理念と思想に基づいて国会運営が行われてきていたと分析した。
そうした歴史を無視し、続けざまに行われた福田内閣による再議決は「憲法の基本的な理念に違反するものだ」と厳しい口調で批判。「国民に対する大きな背信行為であると同時に、憲政史上に悪例を残し、汚点を残したものだ」と断じた。
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