菅直人代表代行を本部長とする民主党道路特定財源・暫定税率問題対策本部は15日午前10時、道路特定財源のムダ遣いの実態を洗い出すため、さいたま新都心にある国土交通省の出先機関である関東地方整備局を視察に訪れた。
視察には、同対策本部副事務局長の川内博史、高山智司両衆議院議員のほか、道路財源をタクシー代に充てていたのではないかという問題を委員会追及や調査を通じて明らかにしてきた大久保勉参議院議員、古本伸一郎、小宮山泰子両衆議院議員、尾立源幸参議院議員、埼玉県12区次期公認予定候補の本多平直総支部長らが同行した。
道路官僚のタクシーチケット利用状況に着目した大久保議員の追及・調査によれば、関東地方整備局道路部道路計画1課で上位10人中7人を占め、わずか20人足らずの同課の3分の1の職員だけで1134回、約2200万円を支出していたとされる。
視察団一行は5階の会議室に通され、まず菅代表代行が挨拶。一昨日に道路整備費財源特例法改正案が再可決されたことに改めて言及したうえで、「私たちはむしろ、これからが道路政策の抜本改革の本番だと考えている」と表明。あわせて、民主党が考える一般財源化は道路特定財源を地方の裁量で自由に使えようにする一般財源化であると明言し、それに伴って全国8つの地方整備局のあり方の検討が必要だとした。
「国の形をかえる突破口がこの道路行政だという位置づけで、今後も取り組んで行く」と語ったうえで菅代表代行は、地方整備局の位置づけは中央官庁よりもさらに見えにくいとも指摘し、「私どもが疑問に思うものは、すべての資料の提示を」と強い口調で求めた。
こうした前段を経て行われた関東地方整備局からの説明の場では、高山議員が本省とのやりとりで「視察当日に現場で提示する」と回答があった、使用済みタクシー券の半券開示や職員の残業実態や公用車の使用状況の説明を求めたが、ずらりと居並ぶ北橋局長以下、「職員は一生懸命働いていた」「個人情報に繋がるタクシーの半券は開示できない」「この問題が明るみになったことで職員個人に苦情電話などもきている」などと列挙し、個人名が判明しないように黒塗りにしたうえでタクシー半券提示をと求めても、まさに組織ぐるみで開示も状況説明も拒否。組織総力をあげた拒否行動が展開された。
らちが明かないと見た古本、大久保両議員は、エレベーターの利用を関東地方整備局職員によって阻止されたために、タクシーの半券を保管している18階にある道路部道路計画1課まで5階から歩いて訪ね、資料開示を迫った。1時間半以上押し問答が展開され、菅代表代行ら一行も加わってさらに要求したが、局側はあくまでも提示を拒んだ。
菅代表代行は「暫定税率を復活させてガソリン税を上げ、国民生活を圧迫しておきながら、そんななかで国民が納めた税金を使い放題に使ってタクシー帰りを繰り返す。その職員を守るために資料開示を拒む。守るべきもの、目を向けるべき方向が違う」と、怒りをこめて繰り返し断じた。
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