民主党はじめ自民、公明の3党は20日午後、国会内で共同記者会見を行い、5月初旬より3党間において協議を重ねた結果、超党派の議員立法として「生物多様性基本法案」が提案され、同日の衆議院環境委員会において委員長提出法案として提出・可決したと報告した。
同法案は生物の多様性の保全及び持続可能な利用を推進し、生物の多様性のめぐみを将来にわたって享受できる自然との共生社会の実現を目指した基本法。開発行為などによってもたらされている生物種の絶滅や多様性の破壊、外来種などによる生態系のかく乱、地球温暖化などの気候変動による多くの生物種の絶滅を含む重大な影響等をふまえ、基本原則を明らかにし、課題解決への方向性を示している。
生物多様性については国際的な関心も高まるなか、今月24日から開催されるG8環境大臣会合や7月の北海道洞爺湖サミットでも議論となることが見込まれ、また、生物多様性条約の締約国会議の2010年の開催国が日本となることが見込まれるなか、世界のイニシアティブを発揮していくためにも、迅速に成案を得る必要があるとの認識で一致した経緯がある。
共同会見には民主党からは衆議院環境委員会委員の田島一成、末松義規、村井宗明各議員が臨席。田島議員は民主党議員立法として「生物多様性基本法案」を4月10日に衆議院に提出(下記関連記事参照)したと説明したうえで、今回の委員長提案が全会一致で可決したことに関連して、「そっくりそのまま民主党の法案(内容)ということにはなっていないが、概ね私どもが考えていた生物多様性の基本法として、喜ばしい結果になったと受け止めている」と述べた。
そのうえで、「ある意味で危機的な状況にある生物多様性。世界では毎年絶滅している生物種が4万種とも言われている状況なので、この状況を鑑みてスピーディに取り組んだ成果ではないかと思う」と語り、超党派でスピーディに成立したことを評価するとともに今国会での成立を目指していきたいとした。
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