子ども・男女共同参画調査会は、20日午後、東京都調布市にある児童養護施設「二葉学園」と東京都世田谷区の自立援助ホーム「憩いの家」を視察した。『次の内閣』子ども・男女共同参画担当の神本美恵子参議院議員、同副担当の島田智哉子参議院議員、『次の内閣』文部科学副担当の林久美子参議院議員、郡和子衆議院議員、議員秘書らが参加した。
一行はまず、様々な理由から家庭で暮らすことのできない子どもたちが生活する児童養護施設「二葉学園」を訪問。入所している子どもたちの状況や施設の概要について説明を聞いた後、生活の場である本園居室及び分園の小規模グループホームを視察した。
当施設は、子どもたちにきめ細かい対応をするためには、集団ではなく家庭的な雰囲気で生活させるべきとの考えから、5〜6人の子どもたちが一戸建ての家で暮らすグループホームを約25年前からはじめた先進的な取組みをしている。6人の子どもに対し、ボランティアも含め2〜3人の職員が対応し、子どもたちの成長を支えている。
児童養護施設は、全国では大半が大舎施設であり、子どもたちがプライバシーのない集団で生活している。また、職員の配置基準は昭和51年以来、居室面積は昭和23年以来見直されていないなど、施設の整備や人員配置の抜本的改善が早急に求められている。また近年は虐待を受け、親がいるのに家庭に帰れない子どもたちの入所が多く、対応も複雑化し、児童相談所等との連携強化も必要との説明を受けた。
続いて一行は、15歳から20歳前後の子ども6名が暮らす自立援助ホーム「憩いの家」を訪問し、子どもたちの寛ぎの場である居間にて説明を聞いた。当施設では、虐待等何らかの理由により戻る家がなく、中学卒業後15歳で自立を求められ、一人で生きていかなければならなくなった子どもたちが、仕事をもち、生活費を払うこと等を条件に一緒に暮らしている。子どもたちは、半年から一年程度の入所中に施設の職員との関係を築くことを目的とし、職員は退所後も関わりを続けることで、大人になってからの「実家」の役割を担いながら社会復帰の手助けをしている。
自立援助ホームでは、施設入所中の子どもの定員分しか補助金が出ておらず、また自治体独自の補助金にも大きな差が生じている。働く子どもたちの受け入れ先がほとんどない中、公的補助による施設の安定と充実が必要である。
参加議員たちは、施設の職員が高い意識を持ち子どもたちの保護や自立のための支援に関わりながらも、予算との兼ね合いなどで十分なケアができずに苦しむ状況を聞き、社会的養護に関する課題を改めて認識。社会全体で子どもたちの育ちを支えるため、財政支出を大きく転換し、子どもたちのためにお金を振り向けていくことが必要不可欠であることを確認し、視察を終えた。
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