民主党は28日午前、学校教育を向上させ、よりよい学校教育環境を整備するための民主党議員立法「学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案」を参議院に再提出。法案提出には直嶋正行政調会長をはじめ、法案発議者の鈴木寛、佐藤泰介、水岡俊一、植松恵美子、谷岡郁子各参議院議員も同席した。
提出後の会見で佐藤議員は、さらに質の高い教育を提供していくため、5年ごとに整備指針をつくり、先進国並みの財源確保を求めるものであると説明。「教育はすぐに結果が出るものではないが一度崩れると立て直しにくいものである」と述べ、その必要性を訴えた。そのうえで、政府の策定する教育振興基本計画には財源の裏打ちがないことが明らかになったと指摘。同法案は、地方公共団体が学校教育の向上、よりよい学校教育環境整備の充実のために計画を作成し、計画実施のための予算確保を義務付けるものであるとした。
鈴木議員は今回特に、教育振興基本計画において、学校教育に関連する国及び地方公共団体の財政支出の国内生産に対する比率を指標として定めなければならない等の規定を明記したと主張。政府の基本計画の不備を手当するかたちであるとして、具体的には現行の対GDP比3.5%から将来的には他の先進国同様に5%水準に引き上げていくことを盛り込んでいると述べた。
また、政府・与党の教育政策は文部科学省、自治体側から義務基準を設けたものであり、民主党は学ぶ生徒、現場の立場へと視点を転換し、環境整備の基準を設けたものであるとその基本姿勢の違いを強調した。
さらに鈴木議員は、財務省の中央教育審議会への介入問題に言及、文部科学大臣の諮問機関である中央審議会での要員の発言を踏まえた答申案に対して財務省から不当な介入があったとして「看過できない」と非難。政策を提示、オープンな議論したうえで財源調整するのが本来あるべき姿であると指摘、財務省の介入は日本の政策過程上大きな問題であると危機感を示した。
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