民主党『次の内閣』は28日午後、国会内で閣議を開催。民主、自民、公明の3党で正式合意された国家公務員制度改革基本法案の修正内容、道路政策・道路特定財源の一般財源化等にかかわる協議会にあたっての民主党の基本方針などを確認した。
冒頭の挨拶で、菅直人『次の内閣』ネクスト副総理大臣(代表代行)は、民主党は道路問題を中央集権、霞ヶ関中心の政治の象徴、国のかたちの根本を変えるためのものとしてとらえていると改めて主張、単なるお金の配分程度のこととしか考えていない与党との違いを政策協議会において痛感したと述べた。そのうえで政権交代の必要性を改めて表明、各議員に一層の尽力を求めた。
鳩山由紀夫ネクスト国務大臣(幹事長)は、自民、公明と正式合意に至った国家公務員制度改革基本法案の修正について報告。伊吹自民幹事長も民主党案を高く評価し、概ね民主党案が受け入れられたとした。アイヌ民族を先住民族とする国会決議案については「何としてもやりたい」と強い思い入れを表明、人間・日本人としてアイヌ民族の悲願である先住民族としての権利を認めるよう前向きな検討・立案をと呼びかけた。
直嶋正行ネクスト官房長官(政調会長)は、(1)国家公務員制度改革基本法案、(2)道路政策・道路特定財源の一般財源化等にかかわる協議会、(3)国会閉会後の『次の内閣』の地域開催、(4)「戦後処理に関するPT」設置、(5)「新時代娯楽産業健全育成PT」の役員構成――の5点について報告。国家公務員制度改革基本法案の修正合意内容、道路政策・道路特定財源の一般財源化等にかかわる協議会にあたっての基本方針を了承したほか、戦後処理に関するPTの設置については、戦後60余年を経てなお、繰り返し提起される様々な戦後の諸課題に対して検討を行うためのものである、とその趣旨を説明。座長を平野博文幹事長代理、事務局長を細川律夫ネクスト法務大臣とすることを了承した。
報告・協議事項では、枝野幸男人権・消費者調査会副会長が「オウム犯罪被害者救済法案」について説明。オウム真理教による一連の事件の被害者救済策について、与党との修正協議の結果、合意に至ったとした。救済策は、死亡者や後遺障害を負った被害者に対する支給額を与党案から倍増させるなど民主党の主張が大きく反映された内容で、被害者救済のためにもその意義が強調されるべきもの。早期成立に向け、委員長提案として取りまとめていくことを確認した。
小宮山洋子ネクスト文部科学大臣、藤村修法案担当者は、昨年5月に提出、継続審議になっていた「学校施設の耐震化促進法案」をめぐり、与党側から協議の申し入れがあったと報告。多くの学校施設が耐震基準を満たしていない現状に加え、中国・四川大地震における被害状況を踏まえた修正協議では、公立小中学校の耐震補強工事に関する国庫補助率を現行の2分の1から3分の2に引き上げ、地方自治体の負担を現行3割程度から1割程度に軽減するなど、民主党案をほぼ反映させる方向で進んでいると説明。緊急に安全性を確保する必要性に鑑み、委員長提案として取りまとめていくことを確認した。
直嶋政調会長は閣議後の記者会見で、民主党議員立法に関して与党側から多くの修正協議の申し入れがあることに言及。国家公務員制度改革基本法案をはじめ、修正協議の結果、民主党案が多く反映されていることにも触れ、いわゆる「ねじれ国会」の成果であるとの認識を示した。
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