4日午前の参議院本会議で、民主党・新緑風会・国民新・日本の松浦大悟議員が、家庭裁判所が相当と認める場合に少年審判の傍聴を犯罪被害者へ認めることなどを骨子とする「少年法の一部を改正する法律案」への質問に立った。
松浦議員は、民主党の主張に沿って衆議院で原案の修正が行われた点を評価した上、修正案への基本認識を鳩山法務大臣に質した。法相は、修正案によって犯罪被害者などの権利利益の保護が一歩たりとも後退するものではないと言明、「被害者の尊厳を重く見る大きな目的が改正の根底にある」とした。 少年審判のモニター視聴が法案で採用されなかったことに関しては、認めるべきという相当数の意見が衆院の審議過程で寄せられたことを踏まえ、今後導入の当否について幅広い検討を行うとした。
松浦議員はまた、日本の法学教育における「被害者学」の位置づけを質問。渡海文部科学大臣は、取り組みがまだ不十分な状況にあるとの考えを示した上、改正案の成立により、学問分野の発展と被害者教育が充実していくとの見通しを語った。
松浦議員はさらに、少年審判の状況を知りたいという犯罪被害者への対応について質問。修正案に、これまでの「文書」や「通知」に加えて「説明」という文言が入った点を取り上げた。「説明する側は、犯罪被害者等基本法の趣旨にのっとり説明に当たるべき。間違っても二次被害を負わせるような対応をすることがないように」と釘を刺して、運用に対する見解を求めた。鳩山法相は、被害者家族への十分な配慮に基づく、温かく懇切丁寧な説明がなされるものだとした。
松浦議員は、犯罪被害者などへの配慮を充実させる取り組みはまだまだ不十分であると指摘。諸外国の修復的司法のプログラムに言及した上、国家と加害者の関係を規定した刑事司法とは別枠で、被害者の被害回復支援のシステムを体系的に構築すべきという見解を示した。
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