参議院決算委員会で9日午後、小川敏夫委員長は福田首相に対して(1)特別会計における支出の適正化について、(2)防衛調達の見直しについて、(3)年金記録問題への対応状況について――の3点について質問した。
小川議員はまず、道路特定財源をめぐり数々の不適切な支出が明らかになった道路整備特別会計をはじめ、各府省における特別会計についてムダ遣いの実態を指摘。特別会計における支出の適正化に向けての考えを質した。福田首相は、「国民の税金を預る自覚に欠けていた」と、その非を認め、行政のムダの排除に向けて組織の見直し等集中的に点検、改革を実行すると明言した。
次に、平成10年以来、繰り返される防衛調達に関する不祥事について、参議院では全会一致で警告決議のもと政府に対して対策を講じるよう求めているにもかかわらず、新たに発覚した幹部に逮捕者まで出た山田洋行問題に言及。政府の対策では不十分であると批判した。小川委員長は、「防衛省に自浄作用求めるのは難しい」との認識を示し、政府に対して抜本的な改革を要請。福田首相は、防衛省のみならず内閣として改革に取り組んでいくとして、内閣レベルの関与の強化、監察機関の強化など透明性を高めるため、抜本的改革を行うと答えた。
最後に、政府が3月までに終了したとされる消えた年金記録問題について、「ねんきん特別便」がその効果を果たしていないことを指摘するとともに、いつまでに解決するのか、対応状況と今後の取り組み方針を質問。福田首相はわかりにくいと批判の多かった当初の「ねんきん特別便」を改善したことで回答率が高まっていると強調し、全ての加入者の皆様に対して10月までに「ねんきん特別便」送付を完了させ、今年度中に照会作業を終えるよう国を挙げて取り組むと表明した。
|