柳澤光美議員は決算委員会において9日午後、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して質問に立ち、(1)財政状況について、(2)政府が掲げる「ムダ・ゼロ」について、福田首相の見解を質した。
柳沢議員は、はじめに国、地方あわせて800兆円を超える債務残高を指摘、危機的状況にある財政問題について福田首相の見解を求めた。福田首相は「財政状況が極めて悪いこと間違いない」と相変わらず他人事のような答弁をし、「先進国で最悪という今の状況を一刻も早く脱したい」と述べた。柳沢議員は、「このような財政状況は個人でいえば確実に自己破産、企業なら倒産である」として、首相の危機感の欠如を問題視、プライマリーバランスが黒字化しても国債残高だけは積みあがっていく状況を指摘した。そのうえで、2011年のプライマリーバランス黒字化達成への認識をたずねると、福田首相は実現に向けて野党に協力を要請、あわせて政府のムダな支出排除を行っていく覚悟を述べた。
さらに、就任以来歳出削減に向けて抜本的改革を推し進める大阪府の橋下知事やバブル崩壊後の民間企業の経営再建策の例を紹介。実行力とスピードをもって改革を進めるよう求めた。福田首相は、政府内業務の合理化、公益法人への集中点検を実施することを確約、「ムダの排除に聖域はない」と応じた。
次に、政府が掲げた「ムダ・ゼロ」の方針について質問。「各省庁の経営のずさんさは誰の目にも明らかである」と述べ、道路関係の支出、公益法人の見直しにおける曖昧な目標を一例に「本気で改革しようとは思っていない」と指弾、実現性に疑問を呈した。福田首相は、見直し案について「私も甘いと思う」と同調、必ずやると明言。これを受けて柳沢議員は、公益法人の集中点検と根本的見直しに関して、6月中に最終報告を行うとする改善結果について、決算委員会に対しても報告するよう求めた。
また、契約見直しにより経費が1回1千万円から89万円になったタウンミーティングの例に、業務を業者に一括委託しないこと、開会施設を小さく、参加人数も小規模にしたことで公費を10分の1にまで削減することになった意義を強調。福田首相は、契約の見直し、随意契約の適正化、透明化に努めていくと答えた。
柳沢議員は最後に、「子どもや孫にツケをおしつけてはいけない。人の命と安全に係ること意外は徹底的に歳出削減を」と表明、根本的な改革実現のためには政権交代が必要であると強く訴え、質問を終えた。
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